芦別ダム

芦別ダムについて

芦別ダム（あしべつダム）は、北海道の芦別市にある一級河川・石狩川水系のダムです。このダムは国土交通省北海道開発局札幌開発建設部によって管理されている、堤高22.8メートルの重力式コンクリートダムです。芦別ダムの主な目的は、幾春別川の桂沢ダムへ水を導くことであり、治水機能を有しない多目的ダムとして設計されています。また、このダムによって形成された人造湖は「芦別湖」と呼ばれています。

沿革と建設の背景

戦後、日本の総合開発計画が進められる中で、建設省（現在の国土交通省）の下、石狩川水系における「幾春別川・芦別川総合開発事業」が立案されました。この計画の一環として、幾春別川には桂沢ダムが建設され、芦別川には芦別ダムが建設されました。目的は治水と利水の確保です。同時に、電源開発株式会社も北海道における発電事業を拡大し、これらの川を開発地点の一つとして選定した結果、桂沢ダムと芦別ダムは国土交通省と電源開発株式会社の共同事業として現在に至っています。

芦別ダムは、石狩川水系の国土交通省直轄ダムの中で最も規模が小さいです。灌漑や上水道、発電を目的とした利水専用の多目的ダムであり、洪水調節機能を持たない点が特徴的です。類似の事例として、奈良県にある猿谷ダムがありますが、芦別ダムは治水機能を有さないため、堆砂の問題は少ないと見なされています。発電は桂沢ダムやキムンダムとの協力により行われており、相互に連携して運用されています。

芦別湖の現状

芦別ダムによってできた人造湖、芦別湖は、美しい原生林に囲まれて静かに存在しています。しかし、最近では芦別湖の堆砂が重要な問題となっています。堆砂はダム湖の貯水容量に対してどの程度蓄積されているかを示す指標であり、特に発電専用のダムでは問題視されることが少ないのですが、芦別ダムの場合は多目的ダムであるため影響が懸念されています。芦別ダムの堆砂率は79.8%であり、これは多目的ダムの中でも最も高い値です。

ただし、芦別ダムの設計が治水機能を持たないため、堆砂が発電や水供給に与える影響は小さいと考えられています。つまり、発電に関しては他の専用ダムと異なる評価がされるわけです。

まとめ

芦別ダムは、北海道における重要なダムの一つであり、定期的な管理と維持が求められています。堆砂問題が議論される中、発電と水供給の効率的な運用を見据えたさらなる取り組みが期待されています。そして、ダムとその周辺環境を保全し、今後も地域の水資源を有効に活用できるよう努力が続けられています。

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