芦野宏

芦野 宏（あしの ひろし）

基本情報

芦野宏は1924年6月18日に山形県村山市で生まれ、本名は羽鳥廣です。彼は日本のシャンソン歌手として知られ、声楽家としても活躍しました。

音楽キャリアの始まり

東京音楽学校（現在の東京芸術大学）で声楽を学び、卒業後は高等学校で音楽教師を務めました。しかし、その後彼はシャンソンの世界に転身し、1953年にNHKラジオ第1放送の『虹のしらべ』に出演してデビューしました。これが彼の音楽キャリアのスタートとなります。

海外での成功

1956年、芦野はフランスに渡り、パリのオランピア劇場でアジア人として初めての出演を果たします。この成功は彼の名声をさらに高め、その後1960年にはフランス国営放送のテレビ番組でワンマンライブを開催しました。こうした活動は、1950年代後半から1960年代前半のシャンソンブームの重要な一部となりました。

日本での影響と活動

日本において、芦野は1955年から10年連続で『NHK紅白歌合戦』に出演し、シャンソンの魅力を広めました。また、歌手だけでなく俳優としても活動し、1967年のテレビドラマ『コメットさん』や1968年の映画『天使の誘惑』などに出演しています。

日本シャンソン館の設立

1995年には、自らの私財を投じて群馬県渋川市に「日本シャンソン館」を設立しました。ここではシャンソンに関する資料収集や展示、ミニライブなどのイベントを行い、シャンソンの普及に努めました。さらに、彼は日本シャンソン協会の会長として後進の育成にも力を入れていました。

略歴と受賞歴

芦野は、音楽活動における功績により多くの賞を受賞しました。1990年にはパリ市のヴェルメイユ勲章、紫綬褒章、1996年には勲四等旭日小綬章を受け、2004年にはフランス共和国芸術文化勲章オフィシエも授与されました。また、2006年には第48回日本レコード大賞の功労賞も受賞しています。

最後の数ヶ月

2012年1月、芦野は日本シャンソン館で「愛は燃えている」と「パリに抱かれて」の2曲を披露した後、体調を崩して入院。2月4日に間質性肺炎のため東京都内の聖路加国際病院で87歳で亡くなりました。彼の訃報は多くの人々に悲しまれ、没後には東京と群馬でお別れ会が開催されました。

まとめ

芦野宏は、その独自の音楽スタイルと情熱で日本のシャンソン界に多大な影響を与えた歌手でした。彼の音楽と活動は、今なお多くの人々の心に残っており、シャンソンの魅力を広める貴重な役割を果たしました。

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