花ぐるま (芹洋子の曲)

花ぐるま：広島フラワーフェスティバルを彩る名曲

1979年5月5日、芹洋子さんのシングル「花ぐるま」が発売されました。この曲は、広島フラワーフェスティバル（FF）のテーマソングとして制作され、フェスティバルを象徴する楽曲として、現在も広島市民に親しまれています。

誕生の経緯：公募から生まれた奇跡

「花ぐるま」は、単なるテーマソングとして制作されたのではなく、広島フラワーフェスティバルの盛り上がりをさらに高めるため、1979年に開催された第3回フェスティバルに向けて、歌詞が一般公募されました。881もの応募作品の中から選ばれたのは、愛知県の会社員、滝田常晴さんの力作でした。作曲は、当時銀行員を兼務していた小椋佳さんが担当。小椋佳さんは『シクラメンのかほり』の大ヒットで知られていますが、「花ぐるま」の作曲依頼を受けた経緯は、残念ながら詳細な資料が残されていません。

フェスティバルでの役割：歌と踊り、そして防災無線

第3回広島フラワーフェスティバルの開会式で、芹洋子さんが初めて「花ぐるま」を披露しました。その美しいメロディーと歌詞は、会場の雰囲気を華やかに彩り、テレビやラジオのCMでも繰り返し流されました。公式パンフレットにも歌詞が掲載され、開会式ではフラワー歌手たちが歌う恒例行事となりました。芹洋子さんはその後も第4回、第9回とフラワー歌手に選ばれており、自身にとっても思い入れの深い楽曲として、リサイタルの冒頭でも歌い続けています。

さらに広島市内では、防災用行政無線の点検放送として、毎日午後6時に「花ぐるま」の一節が流されています（MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島では午前9時30分）。市民生活に深く根付いた楽曲であることがわかります。

多様なアレンジとカバー：時代を超えて愛される魅力

「花ぐるま」は、広島フラワーフェスティバル参加者によって自由にアレンジされ、歌い踊られることも特徴です。YOSAKOIバージョンなども存在し、その親しみやすさとアレンジの自由度が高いことがうかがえます。2010年には、神園さやかさんによるカバーバージョンが、FF公式CDとして他の公式ソングとともに発表されました。これは、「花ぐるま」が時代を超えて愛され続けている証と言えるでしょう。

楽曲情報

シングル名: 花ぐるま
発売日: 1979年5月5日
歌手: 芹洋子
作詞: 滝田常晴
作曲: 小椋佳
編曲: 高田弘
* カップリング曲: 花の想い（作詞：柏和江、作曲：荒木とよひさ、編曲：高田弘）

まとめ

「花ぐるま」は、単なるテーマソングの枠を超え、広島の街、そして広島の市民生活に深く根付いた、特別な一曲です。その美しいメロディーと、多くの人々の想いが込められた歌詞は、これからも多くの人々に感動を与え続けることでしょう。広島を訪れた際には、ぜひ「花ぐるま」に耳を傾けてみてください。きっと、広島の街の温かさを感じることができるはずです。

もう一度検索