滝田常晴

滝田 常晴

滝田常晴（たきた つねはる）氏は、大正11年（1922年）に青森県三戸郡五戸町で生を受け、日本の昭和時代から平成時代にかけて作詞家として活動しました。日本作詩家協会の会員でもあります。

経歴

滝田氏の創作活動は、1940年（昭和15年）に地元の東奥日報社が企画した懸賞軍歌「出でよ少年航空兵」に応募し、「瀧田好雄」の筆名で入選したことから始まりました。戦後、富士製鐵株式会社に入社し、釜石製鉄所（現在の日本製鉄北日本製鉄所釜石地区）に勤務。会社員として働く傍ら、同社の社歌や釜石製鉄所の所歌の作詞を手掛けました。

後に愛知県東海市の名古屋製鉄所へ転勤した後も、作詞活動は精力的に続けられました。全国各地で公募される市町村歌、校歌、音頭などの懸賞募集には積極的に応募し、多くの作品が入選。この分野で常連として知られる存在となりました。特に著名な実績として、1968年（昭和43年）の明治百年記念式典のために募集された頌歌「のぞみあらたに」（作曲：外山雄三）では、応募作が見事に一等入選に輝き、採用されました。また、作詞だけでなく、市町村章や企業の社章・シンボルマークなどのデザイン案でも、応募した作品が採用された経験があります。

新日本製鐵を定年退職した後も、愛知県東海市でタウン情報誌の編集・発行に携わりつつ、作詞活動を継続していました。2006年（平成18年）時点ではご存命であることが確認されていますが、現在の詳しい状況は不明とされています。

主な作品

滝田氏は多岐にわたるジャンルで作品を残しています。

市町村歌

各務原市民の歌（岐阜県各務原市、作曲：市川昭介）
南陽市民歌「幸せたわわに」（山形県南陽市、作曲：安達弘潮）
阿久比讃歌 光あふれて（愛知県阿久比町、作曲：小川寛興）
美浜讃歌（愛知県美浜町、作曲：いずみたく）
美郷町民歌 光あふれて（島根県美郷町、作曲：津雲優）

廃止された市町村歌
市町村合併に伴い現在は使用されていない楽曲も手掛けています。

水沢市民歌（岩手県水沢市、作曲：宅孝二）
久慈市民歌（岩手県久慈市、作曲：坂本良隆）
安代町民歌（岩手県安代町、補作：勝又雄一郎、作曲：野崎哲郎）
山形村村民歌（岩手県山形村、作曲：千葉了道）

音頭

若狭高浜音頭（福井県高浜町、補作詞：高浜町、作曲：青木玲二、歌手：八汐亜矢子）
菰野ふるさと音頭（三重県菰野町、補作詞、作曲：青木玲二、歌手：八汐亜矢子）
道産子ばやし（作曲：古賀政男）
大東京音頭（補作詞：藤田まさと、作曲：遠藤実） - 東京12チャンネル（現・テレビ東京）選定
大大阪音頭（補作詞：藤田まさと、作曲：遠藤実）
三陸博音頭（作曲：安藤睦夫）
愛知ふるさとふれあい音頭（作曲：青木玲二）
美和音頭（愛知県美和町、作曲：二の宮鉄弥）

校歌・学歌

兵庫大学「兵庫大学のうた 〜未来を求めて〜」（作曲：湯山昭）
岩手県警察学校歌（作曲：菅野陽）
沖縄県警察学校校歌
豊明高等学校校歌

その他

のぞみあらたに（作曲：外山雄三） - 明治百年頌歌
花ぐるま（作曲：小椋佳） - ひろしまフラワーフェスティバルテーマソング
しんらんさま（作曲：古関裕而）
ページめくれば（作曲：中田喜直） - 読書推進運動協議会選定歌
まあるくなった - 鹿児島県家庭の日の歌

著書・編著

滝田氏は自身の作品集や編著書も刊行しています。

著書

『のぞみあらたに 滝田常晴作品集』（カミテツ印刷、1994年）
『のぞみあらたに 滝田常晴作品集 続』（カミテツ印刷、1997年）

編著

* 橋山和正著『かんでかんでかみまくる 体内モルヒネ』（ケイ・アイ・ド、1996年）を編纂。

長年にわたり、公募作品を中心に地域や組織に根差した歌を数多く生み出し、日本の歌謡文化に貢献した作詞家です。

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