花と蝶

森進一のシングル「花と蝶」について

「花と蝶」（はなとちょう）は、1968年5月5日に森進一によってリリースされた9枚目のシングルです。本曲は、発売以来累計で100万枚を超える売上を誇ります。この曲の成功によって、森は1968年末に開催された「第19回NHK紅白歌合戦」に初めて出場を果たすこととなります。彼はデビューからわずか3年での快挙であり、この後も紅白歌合戦には毎年出場し続け、その連続出場記録は最多となっています。さらに、2009年には41年ぶりにこの曲を披露し、初出場時の映像も放送され、当時のファンにとっては感慨深い瞬間となりました。

加えて、森はフジテレビ系の人気番組「夜のヒットスタジオ」にも、放送開始直後の1968年11月11日にこの曲で初めて出演しました。翌1969年には、この楽曲がテレビドラマ「東京ロマン 花と蝶」の主題歌として使われるという展開もあり、楽曲としての影響力が実証されました。このドラマはタイトルにもなっている本曲を題材にしており、視聴者にとって楽しみな作品となりました。

2007年2月20日、森は『NHK歌謡コンサート』でこの曲を披露する予定でしたが、突如として発生した「おふくろさん騒動」の影響により、急遽曲目を「女のためいき」に変更することになりました。こちらの騒動を受けて、森が公の場で川内康範による作品を歌うのは難しい時期が続きました。しかし、2008年にその騒動が解決した際、作詞家の川内は「第50回日本レコード大賞」にて特別功労賞を受賞しました。その後、同年の12月30日に新国立劇場で久しぶりに「花と蝶」を披露する運びとなり、多くのファンがその瞬間を心待ちにしていました。

収録曲

• - 花と蝶（3分47秒）

作詞：川内康範
作曲：彩木雅夫
編曲：森岡賢一郎

• - さすらい波止場（3分28秒）

作詞：三井もこ
作曲・編曲：城美好

カバーアーティスト

「花と蝶」は多くのアーティストによってカバーされています。その中には、1970年にリリースした藤圭子の1stアルバム『新宿の女/“演歌の星”藤圭子のすべて』に収録されたもの、また西田佐知子が1970年6月にリリースした『盛り場の女』や、ちあきなおみが1970年11月にリリースした『愛の旅路を~ちあきなおみ 演歌・ブルースを歌う』が含まれます。さらに、八代亜紀は1974年2月に『演歌ごころ~花と蝶』としてこの曲を再演しています。これらのカバーは、それぞれのアーティストが持つ個性が表現され、多様な楽しみ方が可能です。

このように「花と蝶」は、歌手森進一にとってだけでなく、日本の音楽史においても特別な位置を占めており、今もなお多くの歌い継がれる楽曲であり続けています。

もう一度検索