花のいのち (美空ひばりの曲)

美空ひばりのシングル「花のいのち」

1983年2月21日にリリースされた美空ひばりのシングル「花のいのち」は、彼女の多才さを示す作品として知られています。このシングルは、両面ともにひばり自身が作詞・作曲を手がけた楽曲で構成されており、これは1962年のシングル「ロマンチックなキューピット」以来、2枚目の快挙です。ちなみに、「ロマンチックなキューピット」は本名の加藤和枝名義でのリリースでしたが、「花のいのち」は美空ひばり名義でクレジットされています。

B面「木場の女」について

B面に収録されている「木場の女」は、前年1982年に梅田コマ劇場と新宿コマ劇場で上演された舞台劇「深川物語・木場の女」の主題歌として、ひばり自身が作詞作曲したものです。この楽曲は、劇中で使用された後、レコーディングされることになりました。レコーディングにあたっては、観客アンケートによる投票という、当時としては斬新な手法が用いられ、その結果シングル盤に収録されることが決定しました。

楽曲制作の裏側

美空ひばりは楽譜を読むことができなかったため、作曲の際には音符の代わりに、自身が小唄や長唄を覚える際に用いる「矢印のようなもの」を使って作曲していたといいます。このため、彼女が作成した楽譜は、本人以外には解読不能だったと、冗談交じりに語っていたそうです。

テレビ出演時のエピソード

1983年1月に放送されたテレビ番組「三枝の爆笑美女対談」に出演した際、観客の一人が「木場の女」を「もくばの女」と読み間違えたというエピソードを披露し、観客の笑いを誘いました。さらに、番組の最後に行われたゲームでは、司会の桂三枝との対決に敗れ、ルールに従って彼の頬にキスをするという、お茶目な一面も見せました。

収録曲

1. 花のいのち
2. 木場の女

両楽曲とも、作詞・作曲：美空ひばり、編曲：佐伯亮が担当しています。

このシングルは、美空ひばりの音楽的才能と、彼女の人となりを伝える上で、非常に興味深い作品と言えるでしょう。

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