花のいのちを

『花のいのちを』は、1965年8月23日から10月1日にかけてフジテレビ系『ライオン奥様劇場』枠で放送された白黒の連続テレビ映画です。全30回。

概要

本作は「奥様劇場」の第12作にあたり、太平洋戦争を背景に、身勝手な夫や厳しい姑に耐えながら、ただひたすら息子を思い懸命に生きるヒロインの姿を描いたメロドラマです。主演の谷口香が病気のため24話で降板し、天路圭子が代役を務めたことでも話題となりました。平均視聴率は21.7％、最高視聴率は26.1％を記録するほどの人気を博しました（ビデオリサーチ関東地区調べ）。

物語

物語は昭和12年の深川木場から始まります。米穀店「大黒屋」の娘である増田信子は、周囲の勧めで銘木店の長男、清水幸一との縁談を受け結婚します。しかし、幸一は家業を嫌い会社勤めを選びます。信子はしっかり者の姑、君子の指導のもとで商売を覚え始めますが、上海事変による株の大暴落の影響で店は破産、借家暮らしを余儀なくされます。その後、信子は妊娠し、長男の功平を出産しますが、幸一は昔の女と関係を持ち、家には寄り付かなくなります。昭和19年、幸一は出征し、翌20年の大空襲では信子の実家が被災、親族は亡くなってしまいます。さらに、幸一の戦死公報が届き、信子は深い悲しみに打ちひしがれます。終戦後、幼い息子と姑を抱え、苦難の生活を送る信子の前に、幸一の親友である秋本が復員して現れます。秋本は何かと信子の相談に乗り、その誠実な人柄に信子の心は惹かれていきます。

キャスト

清水信子：[谷口香]、天路圭子(24話から)
清水幸一：沢本忠雄
清水君子：高橋とよ
清水功平：長谷川明男
秋本隆：宗方勝巳
増田兼吉：近江俊輔
増田つね：福田妙子
増田礼一：福岡正剛
増田里子：加代キミ子
三沢玉枝：桜むつ子
大場：明石潮
早川：松山照夫
富永みどり：斎藤チヤ子
昌江：橘ますみ
杵屋糸路：藤代佳子
丸山光子：鶴島美奈
弘中：入江洋佑
ナレーター：坂本和子

スタッフ

原作：笠原良三
脚本：笠原良三、桜井康裕、加瀬高之、江戸澄人、平野浩一
監督：野崎正郎、的井邦雄、生駒千里
音楽：加藤三雄
プロデューサー：保住一之助、四方基、桑田良太郎(松竹)、渡辺大年(フジテレビ)
制作：松竹・フジテレビ

主題歌

作詞：佐伯孝夫
作曲：加藤三雄
歌：松尾和子

参考資料

「花のいのちを」シナリオ決定稿
* 「テレビジョンドラマ」(放送映画出版)

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