松山照夫

松山照夫：渋みのある脇役から時代劇の悪役まで幅広く活躍した俳優

松山照夫（まつやま てるお、1932年9月8日 - ）は、北海道深川市出身のベテラン俳優である。北海道深川西高等学校卒業後、舞台芸術学院を経て、1955年に劇団中芸に入団。俳優としてのキャリアをスタートさせた。

1956年、今井正監督作品『真昼の暗黒』で映画デビューを果たす。犯人役という重要な役どころで、その存在感を示した。その後も、映画、舞台を中心に活動。様々な映画作品に出演し、味のあるバイプレイヤーとして確固たる地位を築いていった。

1958年には、風船ぐるーぷを結成。その後は東京俳優生活協同組合や劇団三期会にも所属し、精力的に活動している。

1970年代からは、テレビドラマへの出演が増加。時代劇や刑事アクションドラマで、チンピラやヤクザといった小悪党的な悪役を数多く演じ、その存在感は抜群だった。江幡高志を彷彿とさせる、どこか憎めない悪役像は多くの視聴者の印象に残っているだろう。

彼の演技は、決して主役を奪うような派手さはない。しかし、脇役として作品に深みとリアリティを与え、ストーリーを盛り上げる存在感があった。

多彩な出演作品:

松山照夫は、数多くの映画やテレビドラマに出演してきた。映画では、『第五福竜丸』、『人間の壁』、『日本暗黒史 血の抗争』、『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』、『御用牙』など、時代劇から現代劇まで幅広いジャンルの作品に出演。

テレビドラマでは、『事件記者』、『ダイヤル110番』、『七人の刑事』、『三匹の侍』、『銭形平次』、『大岡越前』、『水戸黄門』といった人気シリーズへの出演も多く、長きに渡りお茶の間に笑顔と感動を与え続けた。また、『必殺シリーズ』や『太陽にほえろ!』などの人気作品にも出演し、作品に奥行きを与えた。

特に時代劇では、悪役としての印象が強いが、その一方でコミカルな役柄もこなせるなど、役柄の幅広さも魅力の一つであった。

舞台への情熱:

映画やテレビドラマでの活躍に加え、松山照夫は舞台にも深い愛情を抱いていた。デビュー作である『松川事件』（1955年）をはじめ、数多くの舞台作品に出演。PARCO劇場での『ベニスのふたご』など、彼の演技を直接観る機会に恵まれた観客も多い。

特技と人間性:

趣味は囲碁で、4段の腕前を持つという意外な一面も持ち合わせていた。

松山照夫は、常に役柄に真摯に向き合い、その確かな演技力で多くの作品を支えてきた名優と言えるだろう。個性的な顔立ちと、独特の雰囲気は、多くの観客の記憶に刻み込まれている。彼の演技は、これからも多くの人に感動と興奮を与え続けるに違いない。

主な出演作品（抜粋）

映画: 『真昼の暗黒』、『青春の音』、『第五福竜丸』、『人間の壁』、『日本暗黒史 血の抗争』、『子連れ狼 子を貸し腕貸しつかまつる』、『御用牙』、『さらば愛しき大地』など
テレビドラマ: 『事件記者』、『ダイヤル110番』、『七人の刑事』、『三匹の侍』、『銭形平次』、『大岡越前』、『水戸黄門』、『必殺シリーズ』、『太陽にほえろ!』、『鬼平犯科帳』など
* 舞台: 『松川事件』、『ベニスのふたご』など

彼の長年にわたる活躍は、日本の映像史に大きな足跡を残したと言えるだろう。

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