花ノ本寿

花ノ本寿：俳優、舞踊家としての生涯

初代 花ノ本寿（はなのもと ことぶき、1939年10月23日 - 2023年11月4日）は、昭和から平成にかけて活躍した日本の俳優であり、日本舞踊家（15世花ノ本流宗家）としても知られています。本名は加藤龍一郎。広島県三次市出身。

生い立ちと初期の活動

14世花ノ本流宗家である花ノ本葵を父に持ち、舞踊の世界で育ちました。妻は花ノ本流初代家元の花ノ本以知子、長男は花ノ本流十六代宗家、二代目家元の二代目花ノ本寿という、まさに舞踊一家です。

俳優としてのキャリアは、松竹会長の大谷竹次郎にスカウトされたことがきっかけでした。1958年、『七人若衆誕生』でデビュー。当時18歳でしたが、15歳と偽って活動していました。

俳優としての転身と活躍

松竹の時代劇で若衆役を演じた後、歌手に転身。若松孝二や武智鉄二のピンク映画に出演するなど、幅広いジャンルに挑戦しました。その後、日活映画やテレビドラマでは、個性的なバイプレーヤーとして存在感を発揮しました。

しかし、舞踊の仕事を優先するため、1970年の『無常』を最後に俳優業を一時休止。その後、実相寺昭雄のオファーにより、『あさき夢みし』などに出演しました。

主な出演作品

テレビドラマ

NHK大河ドラマ
赤穂浪士（1964年） - 間新六役
竜馬がゆく（1968年） - 毛利定広役
樅ノ木は残った（1970年） - 田村右京役
春の坂道（1971年） - 徳川義直役
風（1967年、TBS） - 第13話「絵姿五人小町」
素浪人 月影兵庫 （1968年、NET） - 第101話「見当違いもひどかった」弥平次役
日本剣客伝 （1968年、NET）
まぼろし城（1968年、NET）
特別機動捜査隊（NET / 東映）
第365話「高原に消えた女」（1965年） - 石原役
第566話「俺には親がいねえんだ!」（1972年）
怪奇大作戦（1969年、TBS/円谷プロ） - 第23話「呪いの壺」日野統三役
日本怪談劇場 第10話「怪談 笠森お染 幽霊茶屋」（1970年、12ch） - 新吉役
繭子ひとり（1971年、NHK）
大岡越前 第3部 （1973年、TBS / C.A.L） - 第30話、第31話「享保太平記（前・後篇）」 手代菊之助役

映画

七人若衆誕生（1958年）
高丸菊丸 疾風篇（1959年）
修羅桜（1959年）
剣風次男侍（1959年）
恐るべき遺産 裸の影（1964年）
黒い雪（1965年）
刺青一代（1965年）
源氏物語（1966年）
大空に乾杯（1966年）
恋のハイウェイ（1967年）
花を喰う蟲（1967年）
無常（1970年）
あさき夢みし（1974年）

ディスコグラフィー

花笠若衆（1962年1月、コロムビア）
お染ちゃん（1962年1月、コロムビア）
江戸の伊達男（1962年9月、コロムビア）
名月小唄（1962年9月、コロムビア）
緋桜若衆
前髪吉三
源氏物語
浪人ぐらし
元禄美少年（コロムビア）
桜井の別れ
佐々木小次郎（コロムビア）
森蘭丸
ズッキン節（1964年、日本クラウン） - 放送禁止になったものの、ヒット。
別れてよかったわるかった（日本クラウン）
日の丸おけさ（日本クラウン）

死去

2023年11月4日、出血性ショックのため東京都新宿区の病院で死去。84歳でした。

花ノ本寿は、俳優として、舞踊家として、多岐にわたる才能を発揮し、多くの人々に影響を与えました。彼の残した作品は、これからも人々の心に残り続けるでしょう。

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