花巻温泉

花巻温泉

花巻温泉は、岩手県花巻市に位置する温泉地であり、周辺の温泉と合わせて花巻温泉郷として親しまれています。花巻市街から北西へ約8キロ、堂ケ沢山、万寿山、台川の山麓に広がる高台に位置し、豊かな自然に囲まれた風光明媚な場所です。

概要

花巻温泉は、四季折々の美しい景観が楽しめる温泉リゾート地として発展してきました。春には桜並木が咲き誇り、秋には赤松林が紅葉するなど、自然の美しさを満喫できます。温泉施設は、洗練された大規模ホテルが中心で、落ち着いた雰囲気の中で快適な滞在が可能です。特に、北上川中部流域の田園風景を一望できる眺望は、訪れる人々を魅了し続けています。

現在、花巻温泉には佳松園、ホテル千秋閣、ホテル花巻、ホテル紅葉館の4つの大型ホテルがあり、これらはすべて国際興業グループの花巻温泉株式会社によって運営されています。各ホテルはそれぞれ特色を持ち、多様なニーズに応えるサービスを提供しています。

敷地内には、宮沢賢治が設計した南斜花壇の跡地に作られた「花巻温泉バラ園」があります。ここでは、色とりどりのバラが咲き誇り、訪れる人々を魅了しています。また、毎年花巻市で開催される「イーハトーブレディース駅伝」のゴール地点としても知られています。

泉質

花巻温泉は、源泉によって泉質が異なります。

花巻温泉（混合泉）ホテル千秋閣、ホテル花巻、ホテル紅葉館: 単純温泉（低張性弱アルカリ性高温泉）、泉温は58.7℃、pH7.8です。肌に優しい泉質で、ゆっくりと温泉を楽しみたい方におすすめです。
花巻温泉（台川の湯）佳松園: ナトリウム－硫酸塩・塩化物泉（低張性アルカリ性高温泉）、泉温は59.9℃、pH9.0です。アルカリ性の泉質は、肌のphを整える効果があると言われています。

歴史

花巻温泉の歴史は、1923年（大正12年）に盛岡の実業家、金田一国士が台温泉から湯を引き始めたことに始まります。昭和初期には、「東北の宝塚」を目指し、旅館、貸別荘、動物園、テニスコート、日本初のナイタースキー場、プール、公会堂などが建設され、一大行楽地として栄えました。1931年には、「花巻温泉小唄」も作られ、温泉地の賑わいを盛り上げました。

戦後、台温泉からの引湯管が老朽化したため、ボーリングによって独自の源泉を確保しました。これにより、花巻温泉は安定した湯量を確保し、発展を続けることができました。

1925年から1972年まで、花巻駅と花巻温泉駅を結ぶ花巻電鉄が存在しました。この路線は、温泉地へのアクセスを向上させ、観光客の増加に貢献しました。

近年の動向

近年、花巻温泉では施設の改修や新たなサービスの導入が進んでいます。

客室のリニューアルや大浴場の改修など、施設のアップデートが行われ、快適性が向上しています。
バラ園内に新たなフォトスポットが設置されたり、敷地内に「花巻温泉HIKARIストリート」が新設されるなど、新たな魅力が生まれています。

また、東日本大震災の際には、台湾からの支援に感謝し、台湾パイナップルを提供するなど、国際交流も積極的に行っています。

花巻温泉は、歴史と自然、そして人々の温かさが息づく温泉地です。ぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか。

もう一度検索