花物語 (西尾維新)

花物語

『花物語』は、西尾維新による人気小説シリーズ〈物語〉シリーズの第6弾（通巻9巻目）として、2011年3月に講談社BOXから刊行された青春怪異小説です。イラストはVOFANが担当しています。

概要

本作は、大ヒット作『化物語』の続編として、物語シリーズのセカンドシーズンにあたります。サブタイトルは「するがデビル」となっており、『化物語』に登場したバスケットボールに情熱を燃やす少女・神原駿河が主人公です。

物語の舞台は、シリーズおなじみの私立直江津高校とその周辺の町ですが、時系列は『化物語』の翌年、駿河が高校三年生になった春です。主人公の阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎをはじめとしたレギュラーキャラクターは卒業しており、駿河の同級生など、新たな登場人物を中心に物語が展開します。駿河の視点から物語が描かれ、彼女の内面が深く掘り下げられているのが特徴です。テーマは人間関係であり、既刊の登場人物の意外な一面も描かれています。コメディ要素は少なく、全体的にシリアスな内容となっています。

発売日前後には、新宿、秋葉原、名古屋、大阪、福岡、札幌の6都市でCMが放映されました。CMでは、戦場ヶ原ひたぎが本作を紹介しており、アニメ版でひたぎ役を演じた斎藤千和がナレーションを担当しました。

オリコン調べによると、本作は初週約10万部を売り上げ、書籍部門で初登場1位を獲得しました。発売から3週間で累計15万部を販売しています。

また、他のシリーズ作品同様にアニメ化もされ、2014年8月16日に全5話が放送されました。

あらすじ

神原駿河は、幼い頃に亡くなった母親から、猿の手のようなミイラを譲り受けていました。その手は、どんな願いでも3つだけ叶えてくれるというものでしたが、それは願いを叶える代わりに身体と魂を乗っ取る怪異「レイニー・デヴィル」でした。駿河は過去に2度まで願いを使い、阿良々木暦や戦場ヶ原ひたぎの助けにより怪異に取り込まれることは避けられましたが、その代償として左腕が毛むくじゃらの猿の手に変貌してしまいます。

それから約11ヶ月後、駿河が高校三年生になった春、彼女は「悪魔様」に相談するとどんな悩みでも解決してくれるという噂を耳にします。自身の左手が悪魔の力を持つ駿河は、因縁を感じ「悪魔様」の正体を突き止めようとします。そして、「悪魔様」がいるという塾跡地に向かうと、そこにいたのはかつての宿敵・沼地蠟花でした。

沼地は、不幸な相談事を集めており、駿河は彼女の罠にはまって「悪魔の左手」を奪われてしまいます。駿河は悪魔の左手が無くなったことを喜びますが、沼地の真の目的は悪魔のパーツを全身分集めて取り込もうとする事でした。駿河は沼地と対決することを決意します。

登場キャラクター

神原 駿河（かんばる するが）
声 - 沢城みゆき
本作の主人公。直江津高校の三年生。過去に猿の手に願ったことで、左腕が悪魔の手に変貌した。左腕の暴走を抑えるため、包帯で固定して生活している。
神原 遠江（かんばる とおえ）
声 - 根谷美智子
駿河の母。故人。駿河は最近、母親の幻聴を聞くようになっている。
阿良々木 暦（あららぎ こよみ）
声 - 神谷浩史
ファーストシーズンの主人公。駿河の先輩で、直江津高校を卒業。首筋の吸血鬼の噛み傷を隠すために髪を伸ばしている。
忍野 扇（おしの おうぎ）
声 - 水橋かおり
直江津高校の二年生。忍野メメの姪。本作では男の子として描写されている。
日傘 星雨 (ひがさ ほしあめ/せいう)
声 - 日笠陽子
駿河のバスケ部仲間で、元副キャプテン。駿河と同じクラス。
阿良々木 火憐（あららぎ かれん）
声 - 喜多村英梨
暦の妹で、栂の木高校の一年生。体育会系で駿河と仲が良い。
沼地 蠟花（ぬまち ろうか）
声 - 阿澄佳奈
中学時代の駿河のライバル。左足の故障で引退し、「悪魔様」と名乗り不幸な相談事に乗っている。
貝木 泥舟（かいき でいしゅう）
声 - 三木眞一郎
詐欺師。駿河の母の知り合いだと名乗り、駿河に近づく。

書籍情報

西尾維新（著） / VOFAN（イラスト） 『花物語』 講談社〈講談社BOX〉、2011年3月29日発行（3月30日発売）、ISBN 978-4-06-283771-2

テレビアニメ

テレビアニメ『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』の一作としてアニメ化。2014年8月16日に全5話が一挙放送された。

外部リンク

講談社BOX：西尾維新＜物語シリーズ＞公式サイト
物語シリーズ セカンドシーズン公式サイト
アニメ＜物語＞シリーズ セカンドシーズン 公式サイト

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