花町宮

花町宮の歴史

花町宮（はなまちのみや）は、日本の皇室に属する二つの異なる系統の宮家の一つです。中世と近世のそれぞれに存在していたこの家のこの家系は、歴史的に重要な役割を果たしてきました。以下では、それぞれの系統を詳しく見ていきます。

中世の花町宮

花町宮の中世期は、鎌倉時代末期から南北朝時代までの期間にさかのぼります。この時期の花町宮は、後二条天皇の第2皇子である邦省親王を祖とする世襲親王家でした。

邦省親王は、病弱な後醍醐天皇の皇太子である邦良親王の実弟であり、邦良親王の死去後には自身が大覚寺統の正統を主張し、鎌倉幕府や室町幕府に立太子を訴えた経緯があります。しかし、これらの訴えは認められることはなく、やがて邦省親王の代、あるいはその子である廉仁王の代で花町宮は断絶してしまいました。

邦省親王は永和元年（1375年）に亡くなるまで、宮家の存続をいかにして図るかという試みを行っていましたが、その後の廉仁王の死去に関しては正確な時期が不明であり、そのため家系の継承については謎が多く残っています。いずれにせよ、子孫の存在は伝えられていません。

近世の花町宮

花町宮の近世の歴史は、江戸時代に成立しました。この時期は高松宮好仁親王の婿養子として、高松宮を継いだ後水尾天皇の第8皇子、良仁親王の代になります。良仁親王は天皇からの指名を受けた後、西天皇としての即位条件が設けられていました。これにより、彼が皇位を継承するまでの過渡的な宮家として機能しました。

良仁親王は、承応3年（1654年）に実兄である後光明天皇が突然亡くなった際、天皇から後継者として指名された識仁親王の成長を待つ形で皇位を受け継ぐことになります。後の後西天皇がこの系譜を引き継ぎ、寛文7年（1667年）には第2皇子の幸仁親王を後継者として花町宮が再興されましたが、わずか5年後の寛文12年（1672年）には再度「有栖川宮」との名に改められ、その後の子孫へと伝えられることとなりました。

系譜の詳細

中世系譜

• - 邦省親王（後二条天皇の第2皇子）
• - 廉仁王

近世系譜

• - 後水尾天皇
• - 良仁親王（後西天皇）
• - 幸仁親王
• - （有栖川宮）

花町宮のこれらの歴史は、日本の皇室の変遷や権力の移ろいをも反映しています。時代によって異なる家系が形成され、また断絶を繰り返す中で、宮家は日本の歴史の中で非常に重要な位置を占めてきました。今日における歴史的な視点から見ても、花町宮は興味深い存在であることに違いありません。

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