芳賀書店

芳賀書店の概要

芳賀書店（はがしょてん）は、日本の有名な書店で、特にアダルトDVD、成人向け書籍、グッズなどの販売で知られています。この書店は、1970年代末から1980年代初頭にかけてのアダルト写真集の流行に大きな影響を与え、「ビニ本発祥の店」として名を馳せました。また、出版部門も持ち、1967年に寺山修司による有名な著書『書を捨てよ町へ出よう』を世に出し、ベストセラーとなりました。

沿革

初期の発展

芳賀書店は1936年に巣鴨で創業され、当初は古書の販売を行っていました。1945年には空襲で被害を受けたものの、1948年に神田神保町に移転し新刊本の販売を始めました。1961年には出版事業もスタートし、1967年に出版した寺山修司の書籍は特に反響がありました。

この時代、芳賀書店は新左翼や文化人の著作を発行し、1971年からは映画に関する写真集も手がけ、1972年から1982年にかけて教養書シリーズも刊行していました。

2代目の時代

1970年代中頃、芳賀書店の2代目社長・芳賀英明は、経営難を打破するために女性のヌード写真集に目をつけました。「ビニ本」と呼ばれるこの商品は、ポリ袋に入れられて販売されることで注目を集め、瞬く間に人気を博しました。1979年にはアダルト商品を中心とした新店舗を神田古書センター内にオープンし、繁盛しました。この存続と成長により、芳賀書店は古書街・神保町に複数の店舗を持つ、アダルト商品を主力とした書店へと変わりました。

当時、「ビニ本バブル」と称される現象が起き、芳賀書店は売上を大きく伸ばしました。しかし、1980年には過激な内容が問題視され、2代目は風営法違反で逮捕される事態となりました。1980年代にはアダルトビデオの人気が高まり、芳賀書店もこの新たな市場に対応し、VHS全盛期に大きな収益を上げました。

3代目の経営改革

2002年に芳賀書店の3代目社長に就任した芳賀英紀は、財務上の困難を乗り越えるための改革を行いました。役員報酬のカットや業務の効率化を進め、迅速に黒字化を達成しました。インターネット配信が普及する中でも、実店舗ならではの体験を強調し、好調な業績を維持しました。

4代目の時代と新たな展望

2015年、芳賀書店は4代目の社長として芳賀紀子が就任しました。これにより、出版部門は「株式会社Jパブリッシング」として独立し、書店の経営に集中しました。2021年には再び出版部門を再開し、作品の新たな展開が期待されています。

本社および店舗

芳賀書店の本社は東京都千代田区神田神保町にあり、現在も本店が顧客に愛されています。かつては複数の店舗を運営していましたが、現在は本店のみが営業を続けています。

メディアの登場

芳賀書店はテレビ番組にも取り上げられ、そのユニークなビジネススタイルが注目を集めています。特にアダルト関連商品の専門店としての役割や、時代に合わせた商品ラインナップが評価されています。これからも芳賀書店は、独自の文化を持つ書店として、顧客に支持され続けることでしょう。

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