芳賀高益

芳賀 高益（はが たかます）

芳賀高益は室町時代後期に活躍した武将で、下野宇都宮氏の家老として知られています。彼は紀清両党に属する芳賀氏の出身であり、その武勇と政治的手腕から多くの功績を残しました。

彼の時代の宇都宮氏は、寛正4年（1463年）に宇都宮明綱が急死したことを受け、外孫である兄の太郎丸が当主となりました。その結果、芳賀氏は兄に代わって家督を継承し、高益はその後、宇都宮氏の運命に深く関与することになります。

宇都宮氏は享徳の乱を経て、古河公方に属していましたが、文明2年（1470年）頃になると、関東管領の上杉氏に寝返る動きを見せます。この戦略的な変化は、高益の助言によるものであると言われています。彼の希望とは裏腹に、兄の正綱が文明9年（1477年）に上野国で戦死したため、高益は彼の嫡男である成綱の後見人として、家を守る任務を担いました。

成綱が家督を継ぐと、宇都宮氏内部で不穏な動きが起こります。元々の重臣であった武茂氏の中から、武茂六郎を中心とした叛乱が勃発。しかし、高益は若き成綱と協力してこの乱を鎮圧しました。その後も高益は筆頭家老として成綱を支え続け、宇都宮氏の安定を図ることに尽力します。

しかし、高益の死は長享2年（1488年）に訪れ、その後、子の景高が家中の権力をさらに増大させていきます。景高の時代には高益の影響を色濃く受けており、彼の後継者として重要な役割を果たしました。

一方で、成綱と芳賀氏の関係は次第に悪化し、特に永正9年（1512年）には「宇都宮錯乱」と呼ばれる壮絶な内紛が勃発します。この乱は、両者の権力争いを象徴する事件となり、芳賀氏の歴史に大きな影響を及ぼします。

芳賀高益はその生涯を通じて、宇都宮氏の発展に寄与し、また家中の安定を図るために尽力した傑出した武将です。彼の政治的、軍事的な手腕は、後の世にも多くの影響を与えたことでしょう。このように高益の生涯は、室町時代の動乱の中での力の構図を理解するための重要な鍵となります。

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