紀清両党

紀清両党について

紀清両党（きせいりょうとう）は、下野国の宇都宮大明神の座主である宇都宮氏に仕える武士団であり、東国武士の代表的な存在として名を馳せていました。この一族は、益子氏と芳賀氏といった名門の出身で構成されており、それぞれの戸籍に由来をなします。

名前の由来

紀清両党の「紀」は、益子氏の元々の本姓である紀氏から、そして「清」は芳賀氏の本姓である清原氏に由来しています。このように、紀清両党は両家の強力な血筋を持った武士たちによって構成されています。

紀清両党の誕生と鎌倉時代

文治5年（1189年）には、既に芳賀氏と益子氏が宇都宮氏の一族として合戦に参加していたことが確認されています。しかし、紀清両党という勇士団がいつ結成されたかは不明です。この年の奥州合戦では、益子正重や芳賀高親が宇都宮朝綱に従い、戦功をもたらしました。源頼朝からは源氏の白旗が贈られ、以降この戦功が芳賀氏や益子氏の名を広めるきっかけとなりました。紀清両党はその後以降も宇都宮氏の有力武士団として存在感を示し続けます。

鎌倉時代後期から室町時代

宇都宮氏は鎌倉時代において、幕府から強力な軍事力を持つ存在と認識され、重用される機会が増えていました。元弘の乱では、当主の宇都宮公綱に従事し、益子貞正や芳賀高名が戦利品を勝ち取るなど活躍を見せます。このように、紀清両党は戦場で果敢に戦い、その武勇を称賛されました。

戦いの中で、楠木正成は宇都宮氏が坂東一の弓矢であり、その支えである両党を恐れたというエピソードもあります。それ以外にも、たくさんの戦いで力を発揮し、宇都宮氏の地位を強固なものとしました。公綱の嫡男である宇都宮氏綱が北朝に従った際、紀清両党の芳賀禅可や益子貞正は氏綱の下で戦い、前当主と敵対する事態も起こります。

観応の擾乱では、春日顕時に襲われ、紀党及び清党の居城が陥落するなどの逆境もありましたが、薩埵峠の戦いにおいては貢献を果たし、足利尊氏の勝利に寄与しました。この頃、芳賀氏は事実上の守護代としての地位を確立し、その実力を示しました。

戦国時代における芳賀氏の興隆と衰退

享徳の乱では芳賀成高が活躍し、文明9年（1477年）の合戦で益子延正が討死するなど、両党は互いに影響を及ぼします。宇都宮正綱が病死するなど不運が続く中で、芳賀氏は宇都宮氏に対して強力な権力を持つに至りました。しかし、政争や内部対立が激化し、両党は次第に混乱の中に陥っていきます。特に芳賀高益が成綱の支持を表明したことで内紛が生じ、最終的には芳賀高勝の陰謀により、多くの権力が失われてしまいます。

その後の数十年は、宇都宮氏及び紀清両党の衰退の時代を迎え、芳賀氏は勇壮な歴史の記憶を失いつつありました。

江戸時代の影響

天文13年（1544年）に水谷正村の侵攻によって紀清両党の華やかな時代は衰退を始めます。芳賀高定のもとでも混乱が続き、家譜の混乱とともに両党の復権は難しい状況に追い込まれます。

結末

最終的に紀清両党は惰性の中で俗化し、連携を失い、宇都宮氏とも対立を繰り返すようになりました。特に益子氏は独立性を高めていく一方で、芳賀一族とのつながりはいよいよ薄れていったのです。宇都宮氏が改易に追い込まれ心の下で両党の時代は幕を下ろすこととなります。

結論

紀清両党は有名な武士団であり、その興亡は多くの歴史的背景と出来事に支えられています。武士の栄光と衰退を映し出す彼らの歴史は、武士道の重要な一面を示しています。

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