芽ばえ (曲)

「芽ばえ」について

1972年6月5日、麻丘めぐみのデビュー・シングル「芽ばえ」がリリースされました。このシングルは、ビクター音楽産業（現JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント）から発売され、瞬く間に人気を博しました。

麻丘めぐみは、その愛らしい「御姫様顔」で多くのファンに支持され、特にデビュー当初から多くの注目を集めました。レコードジャケットの撮影は井の頭公園で行われ、彼女の髪型は後のトレードマークとなる姫カットではありませんでしたが、そのキュートさはファンを魅了しました。

リリースされてからの「芽ばえ」は順調にオリコンのヒットチャートを上昇し、わずか3ヶ月後には第3位にランクインしました。また、年間シングルチャートでは第17位に達し、続くシングル「わたしの彼は左きき」と合わせて40万枚を優に超える売上を記録。その結果、ビクターの公式発表では販売枚数は80万枚を超えるとされる大ヒットを成し遂げました。

さらに、1972年には第14回日本レコード大賞において、他の新人賞受賞者たちの中から最優秀新人賞を受賞するなど、デビューからの短期間で急成長を遂げたことになります。森昌子や郷ひろみ、青い三角定規といった著名なアーティストと同じ舞台で評価されることは、彼女の才能を証明するものでした。

しかし、デビュー当初は様々な困難も付きまといました。初めてのレコーディングでは、ディレクターから「声が可愛くない」と厳しいダメ出しを受け、彼女はその場で泣き出してしまったのです。幼少期から低い声にコンプレックスを持っていたことから、非常にショックを受け、一度は歌手としての夢を諦めかけます。その後のレコーディングでは、作曲家の筒美京平にアドバイスを受け、高音域を試みるようになり、ようやく「可愛い声で歌える」と評価されるようになりました。

デビュー当初、ステージ衣装は自前もしくは手作りという状況でした。麻丘めぐみの母親が、安価な布を使って衣装を作成していたことも彼女の歌手活動の初期段階を物語っています。

また、「芽ばえ」には収録された全曲の作詞、作曲、編曲が豪華な顔ぶれで揃っています。作詞は千家和也、作曲は筒美京平、編曲は高田弘が担当しており、これらの要素が「芽ばえ」の魅力を一層引き立てています。

そして、「芽ばえ」と内包された楽曲は数多くのアーティストによってカバーされており、桜田淳子や水谷絵津子、浜田朱里、山中すみか、河田純子など、様々なアーティストによって新たにアレンジされています。これにより、時代を超えた名曲としての地位を確立しています。

以上のように、「芽ばえ」は単なるデビュー曲としての枠を超え、麻丘めぐみのキャリアの起点となった重要な一曲です。彼女の音楽人生を語る上で、この楽曲は外せない存在となっています。

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