苗ヶ島町

苗ヶ島町（なえがしままち）は、群馬県前橋市の一部を構成する地域です。かつては勢多郡宮城村の一部であり、住所においては「勢多郡宮城村大字苗ヶ島」に続く地名として用いられました。2013年時点での面積は約7.8平方キロメートルです。郵便番号は371-0241が割り当てられています。町内には丁目の設定はなく、住所は地名の後に個別の番号が付加される形式となっています。

地理

この地域は、前橋市の北東部に位置し、雄大な赤城山の南側の麓に広がっています。町域の東側には粕川が流れ、その上流部から中流部にかけての右岸に位置しています。町内には、自然に囲まれた赤城温泉郷が点在しており、訪れる人々に安らぎを提供しています。周囲は、西に鼻毛石町や柏倉町、東には粕川町中之沢や粕川町室沢、南には大前田町、そして北には三夜沢町と隣接しています。

歴史

苗ヶ島町という地名は、南北朝時代頃から存在が確認されています。その歴史を通じて、領主が幾度か変わる複雑な経緯をたどりました。はじめは大胡藩の領地でしたが、天和2年（1682年）に前橋藩の所領となり、さらに明和6年（1769年）には幕府直轄領（天領）となりました。その後、再び支配が変わり、最終的に下野佐野藩の領地となりました。近代に入り、1889年（明治22年）の町村制施行時には、周辺の7ヶ村が合併して勢多郡宮城村が誕生し、苗ヶ島はその大字の一つとなりました。平成の市町村合併においては、2004年（平成16年）に宮城村が大胡町、粕川村とともに前橋市に編入されたことで、前橋市苗ヶ島町となりました。また、2017年（平成29年）5月12日には、苗ヶ島町の全域を含む前橋・赤城地域が、スローシティを推進するチッタスロー国際連盟に加盟しました。

交通

町内に鉄道駅はありませんが、隣接する茂木町にある上毛電気鉄道上毛線の大胡駅が最寄りの鉄道駅の一つとなります。町内の公共交通としては、赤城タクシーが運行するデマンドバス方式の「ふるさとバス」が利用可能です。道路網については、地域の主要幹線である国道353号が町内を横断しています。この国道は、1993年（平成5年）4月1日に県道から昇格したもので、町内に初めてできた国道となりました。また、群馬県道333号上神梅大胡線、群馬県道102号三夜沢国定停車場線、群馬県道16号大胡赤城線といった県道も町内を通過しており、地域内外へのアクセスを担っています。

主な施設

町内には、赤城山の豊かな自然を活かした施設や公的な機関が立地しています。かつては観光施設として知られた赤城高原牧場クローネンベルクや、春には美しい桜が咲き誇る赤城南面千本桜があります。研究機関としては、電力中央研究所赤城試験センターが置かれています。地域の治安維持にあたる群馬県警前橋東警察署苗ヶ島駐在所も設置されています。また、古くから知られる赤城温泉郷や忠治温泉もこの地域に含まれます。

その他

世帯数と人口については、2017年（平成29年）8月31日時点の情報が示されています（具体的な数値は省略）。市立の小・中学校へ通学する場合、指定された学区が存在します（具体的な学校名は省略）。大規模災害発生時などで避難が必要になった際の避難所としては、隣の鼻毛石町にある前橋市立宮城中学校が指定されています。

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