若いまち旭川

若いまち旭川

北海道旭川市の公式な楽曲の一つである「若いまち旭川」（わかいまちあさひかわ）は、同市の市歌として親しまれています。この楽曲は、武田哲子が作詞を手がけ、歌人の小林孝虎（1923年 - 2004年）が補作、そして川越守が作曲を担当しました。

制定の背景と経緯

「若いまち旭川」は、旭川市が市制施行から50年を迎えた1972年（昭和47年）を記念する事業の一環として誕生しました。旭川観光協会が中心となり、旭川市および旭川商工会議所との連携のもと、「新しい旭川の歌」の懸賞募集が行われました。この募集には、全国から170篇もの歌詞が寄せられました。その中から入選した作品に対し、歌人である小林孝虎が補作を行い、それを基に川越守がメロディをつけました。楽曲は、1972年8月12日に正式な発表演奏会が行われ、披露されました。

制定当時には、キングレコードによってソノシート（規格品番：NS-380）が制作され、市民に配布されるなどして普及が図られました。このソノシートは、当時の貴重な記録媒体として存在しています。

楽曲の収録と公式サイトでの扱い

「若いまち旭川」の歌詞と楽譜は、1982年（昭和57年）に刊行された柳谷実智博氏の著書『北海道の歌謡曲』（旭川振興公社発行）に収録されています。これにより、公式な記録として楽曲の内容が保存されています。

一方で、旭川市の公式サイトにおいては、この市歌に関する情報は現在、積極的に紹介されていません。

市民への浸透と関連楽曲

公式サイトでの紹介はないものの、「若いまち旭川」は市民にとって比較的馴染み深い楽曲となっています。特に、1988年（昭和63年）に旭川市の開基100周年を記念して発表されたテーマソング「若い街から」（作詞：菅原志郎、作曲：中田喜直）との関連性が深いと言えます。

この二つの楽曲は、橋場信昌によってメドレー形式に編曲され、『行進曲「若い街から」』として生まれ変わりました。この行進曲は、毎年6月に開催される「北海道音楽大行進」という大きなイベントで演奏されており、市内外の多くの市民が耳にする機会があります。長年にわたりこのイベントで演奏されることで、「若いまち旭川」は直接的あるいは間接的に市民の記憶に刻まれ、親しまれる存在となっています。

旭川市に関連するその他の楽曲としては、以下のようなものが挙げられます。

旭川市青少年の歌：1960年（昭和35年）に選定された、青少年向けの楽曲です。
北の街に鐘は鳴る：1991年（平成3年）に発表された楽曲です。
あなたがどこかで：市制施行100周年を記念するイメージソングとして、2022年（令和4年）に発表されました。

これらの楽曲は、それぞれの時代の市の歩みや、特定のテーマに沿って制作されており、「若いまち旭川」と共に旭川市の音楽文化を形作っています。

参考文献

柳谷実智博『北海道の歌謡曲』（旭川振興公社、1982年） NCID BN08149058

関連項目

* 北海道の市町村歌一覧

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