若一神社

若一神社

概要

京都府京都市下京区七条御所ノ内本町に鎮座する若一神社は、平清盛ゆかりの神社として有名です。境内には、平清盛が自ら植えたと伝えられる樹齢約800年の楠の大樹をはじめ、歴史を感じさせる数々の遺構や史跡が残されています。

歴史

神社の創建は、光仁天皇の時代まで遡ります。唐から来た威光上人が、熊野権現の御分霊である若一王子の御神体を当地に運び、古堂に祀ったのが始まりと伝えられています。その後、御神体は土中に埋もれてしまいますが、平安時代末期、平清盛が当地に別邸を構えた際に、再び発見されました。

清盛は熊野参詣の際に「土中に隠れたる御神体、世に出し奉斎せよ」との神託を受け、別邸の築山から光が放たれているのを発見。自ら土を掘って御神体を掘り起こし、仁安元年（1166年）11月10日に社を建立して祀りました。翌仁安2年（1167年）2月10日には、清盛が太政大臣に任ぜられたことから、若一神社は開運出世の神様として信仰を集めるようになりました。

境内

境内には本殿、拝殿、社務所のほか、平清盛ゆかりの御神水や平清盛像があります。特に注目すべきは、清盛が太政大臣に任ぜられた際に植えたと伝わる樹齢800年の楠です。この楠は、昭和14年（1939年）に京都市電の延伸計画があった際、清盛の祟りを恐れた住民たちの反対により、市電の路線が変更されるほどの影響力を持っていました。現在でも、西大路通は神社の楠を避けるように蛇行しています。

また、境内社として寿命社（祭神：高砂尉と姥）、弁財天社（祭神：市杵島姫命）、松尾社（祭神：松尾大神）、稲荷社（祭神：稲荷大神）、祖霊社（祭神：当神社奉仕の神職及び総代、世話方並に特別崇敬篤き方々の御霊）、楠木社（祭神：平清盛御手植の楠）が祀られています。

祭事

若一神社では、例祭（11月10日）、月旦祭（毎月1日）、月次祭（毎月10日）、旬祭（毎月21日）などの祭事が執り行われています。

アクセス

JR京都線西大路駅から徒歩約4分と、アクセスも良好です。

まとめ

若一神社は、歴史と伝承に彩られた魅力的な神社です。平清盛ゆかりの史跡や、樹齢800年の楠など、見どころも多く、京都観光の際に訪れてみる価値のある場所と言えるでしょう。神様のご加護と、歴史ロマンに浸ってみてはいかがでしょうか。

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