若尾圭介

若尾圭介：卓越したオーボエ奏者、教育者、音楽プロデューサー

若尾圭介（1962年4月19日生まれ）は、日本を代表するオーボエ奏者の一人です。1990年以来、ボストン交響楽団の準首席オーボエ奏者、およびボストン・ポップス・オーケストラの首席オーボエ奏者として活躍しています。

音楽家としての軌跡

東京都出身の若尾は、中学校でオーボエを始めました。日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者であった新松敬久に師事し、その後、小島葉子、佐藤順子、ジョセフ・ロビンソン、レイ・スティル、アルフレッド・ジェノヴェーゼ、ラルフ・ゴンバーグといった著名なオーボエ奏者から指導を受けました。1979年には、タングルウッド・ヤングアーティストのオーディションに合格し、才能を開花させました。

1981年にマンハッタン音楽院に入学し、1987年に卒業。その後は教員アシスタントとして後進の指導にもあたりました。

主要な活動

1985年、小澤征爾が率いる新日本フィルハーモニー交響楽団でオーボエ奏者として演奏。
1988年、マイケル・ティルソン・トーマス率いるニューワールド交響楽団に設立初年度に初代首席奏者として入団しました。同年には、若尾圭介オーボエキャンプを開講し、後進の育成にも力を注いでいます。

1989年には、秋山和慶の指揮のもと東京交響楽団とオーボエ協奏曲を共演。

1997年、東京でリサイタルデビューを果たし、1998年には札幌のパシフィックミュージックフェスティバルでリサイタルを開催し、ピアニストのクリストフ・エッシェンバッハと共演しました。

代官山ヒルサイド・テラス音楽祭の音楽監督や、マサチューセッツ州チェスナットヒルのリディーマー教会コンサートシリーズの立ち上げにも尽力しました。また、日本とアメリカの音楽家を繋ぐ日本アメリカ交流コンサートを主催し、豊嶋泰嗣、水谷上総、エマニュエル・アックス、クリストフ・エッシェンバッハ、山本正治、モーリス・ブールグといった著名な音楽家が出演しています。

2011年5月には、ボストン・ポップスの桂冠指揮者でもある作曲家ジョン・ウィリアムズが若尾のために作曲したオーボエ協奏曲 (Oboe Concerto for Keisuke Wakao) が、ウィリアムズ自身の指揮、若尾の独奏、ボストン・ポップスによって世界初演されました。これは若尾の音楽家としてのキャリアにおけるハイライトの一つと言えるでしょう。

現在、アメリカと日本を中心に演奏活動を行う傍ら、ボストンのニューイングランド音楽院、ロンジー音楽院で教鞭を執り、後進の指導にも力を入れています。

2020年には、TEDトーク「Playing for Life」を行いました。

ディスコグラフィー

若尾圭介 、クリストフ・エッシェンバッハ「Abendlied」(1997)、デノン
Keisuke Wakao Plays Music of John Williams」(1999)、デノン
「ボストン・ポップス・オーケストラ、若尾圭介、ジョン・ウィリアムズによるオーボエ協奏曲」(2013)、デノン
若尾圭介 パリ· フランス· オーボエ作品集」（2014）、 ワーナークラシックス
* モーリス・ブールグ　若尾圭介「オーボエの世界」（2016）、ワーナークラシックス

家族

妻はピアニストの若尾美絵。娘の圭良は、2021年にユーディ・メニューイン国際コンクールジュニア部門で優勝し、プロのソリストとして活躍しています。

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