豊嶋泰嗣

豊嶋泰嗣（とよしま やすし）は、1964年に東京で生まれたヴァイオリンおよびヴィオラ奏者です。幼少期から音楽に親しみ、桐朋女子高等学校音楽科に進学、江藤俊哉・アンジェラ夫妻に師事しました。桐朋学園大学在学中より、ヴァイオリン、ヴィオラ奏者として演奏活動を始め、ハレー・ストリング・クァルテットを結成するなど、その才能を早くから開花させました。

1986年には同大学を卒業後、新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターに就任。その卓越した技術と音楽性で楽団を牽引しました。1992年には、その功績が認められ、芸術選奨新人賞音楽部門を受賞しています。

その後、1993年にはサイトウ・キネン・オーケストラ、ジャパン・ヴィルトゥオーゾ・オーケストラのコンサートマスターにも就任。名だたるオーケストラでその手腕を発揮しました。1997年からは、九州交響楽団と新日本フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターを兼任。2つのオーケストラを同時に率いるという多忙な日々を送りましたが、2009年3月末をもって九州交響楽団のポストを離任。しかし、その功績を讃えられ、日本初の同団「桂冠コンサートマスター」として顕彰されました。

1998年には、京都アルティ弦楽四重奏団を結成。室内楽にも積極的に取り組み、その活動の幅を広げています。また、1719年製のストラディバリウスを愛用しており、その美しい音色を奏でています。

現在では、桐朋学園大学大学院で後進の指導にあたり、次世代の音楽家育成に尽力しています。また、兵庫芸術文化センター管弦楽団のコンサートマスター（室内楽担当）や、水戸室内管弦楽団の団員としても活躍しており、その音楽活動は多岐に渡ります。

近年では、作曲家・久石譲のコンサートにおいて、ほぼ全ての公演でコンサートマスターを務めており、久石譲の音楽を支える重要な役割を担っています。豊嶋泰嗣は、その卓越した技術、豊かな音楽性、そして長年にわたる音楽界への貢献により、日本の音楽界を代表するヴァイオリン、ヴィオラ奏者として、多くの人々を魅了し続けています。

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