若尾裕

若尾 裕（わかお ゆう）について

若尾裕は1948年3月25日に東京で生まれ、大阪で育った日本の音楽学者です。彼は広島大学の名誉教授であり、臨床音楽学を専門としています。若尾氏は音楽の理論と実践の両方に情熱を注ぎ、演奏活動も行っています。特にピアノによる即興演奏に力を入れており、その多様な表現力が注目されています。

学歴とキャリア

若尾は東京藝術大学音楽学部の作曲科を卒業後、1976年に同大学院の音楽研究科作曲専攻の修士課程を修了しました。その後、広島大学教育学部で助手としてのキャリアをスタートし、1979年には助教授、さらに教授に昇進します。その後、名誉教授の称号を授与され、神戸大学発達科学研究科でも教授や名誉特任教授を務めました。彼の教育活動は多くの学生に影響を与えています。

著書と業績

若尾裕は音楽に関する多くの著書を執筆しており、その中には以下のようなものがあります：

• - 『モア・ザン・ミュージック ミュージック・セラピーからサウンドスケープまで』（勁草書房 1990）
• - 『奏でることの力』（春秋社 2000）
• - 『音楽療法を考える』（音楽之友社 2006）
• - 『親のための新しい音楽の教科書』（サボテン書房、2014）
• - 『サステナブル・ミュージック これからの持続可能な音楽のあり方』（アルテス・パブリッシング, 2017）

また、若尾は他の著者と共同で数冊の書籍も執筆しています。1992年に発表した『子どもの音楽療法ハンドブック』や、1996年の『音楽療法のための即興演奏ハンドブック』などがその例です。

翻訳活動

音楽に関する翻訳活動も行っており、外国の著作を日本語に翻訳しています。代表的なものには以下の作品があります：

• - テレンス・ドワイヤー『テープ・コンポジション入門』
• - トレヴァー・ウィシャート『音あそびするものよっといで』
• - R.マリー・シェーファー『サウンド・エデュケーション』
• - ポーリン・オリヴェロス『ソニック・メディテーション 音の暝想』

彼の翻訳は、音楽に関する国際的な理解を深めるのに寄与しています。

音楽療法と教育

若尾の研究テーマである臨床音楽学は、音楽療法の実践的な側面にも大きく関わっています。彼は、音楽が人間の心身に及ぼす影響について広範な知見を持ち、その実践を通じて多くの人々に希望を与えています。彼の教育方針は、学生に音楽の重要性を伝えるだけでなく、彼らの創造性を引き出すことにも重点を置いています。音楽をコラボレーションや即興で楽しむことの重要性を説く彼の姿勢は、多くの学生に刺激を与えています。

結論

若尾裕は、臨床音楽学の分野で多くの業績を残している著名な音楽学者であり、教育者としても高く評価されています。彼の著作や翻訳は、音楽療法を含む音楽の多様な領域での学びを促進し影響を与え続けています。音楽を通じて人々の生活を豊かにする活動を今後も続けていくことが期待されます。

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