若林和弘

若林和弘（わかばやし かずひろ）は、1964年12月20日生まれ、東京都出身のアニメーション音響監督です。本名は林和弘（はやし かずひろ）といい、スタジオジブリ作品に参加する際には本名名義を使用しています。彼の音響監督としてのキャリアは、1990年の永野あかねの漫画『猫でごめん!』のイメージ・アルバムから始まりました。

音響監督への道

若林氏が音響の道に進むきっかけとなったのは、17歳の時にニュージャパンフィルムスタジオで働いていた際、当時『うる星やつら』の音響監督だった斯波重治との出会いでした。数年後、斯波氏から仕事に誘われたことがきっかけで、この世界に入ることになります。

フリーランスになる前は、テクノサウンド・オムニバスプロモーションに所属していました。その後、2004年5月7日に有限会社フォニシアを設立しますが、2013年春には同社を解散し、屋久島へ転居。現在はフリーランスとして活動を続けています。

音響制作へのこだわり

若林氏は、宮崎駿監督や押井守監督など、数々の大作劇場アニメーションの音響監督を務めてきました。スタジオジブリ作品では本名の林和弘名義を使用しており、若林の由来は、かつて現場に同姓の年長スタッフがいたため、若い方の林ということでそう呼ばれるようになったとされています。

音響制作において、若林氏は特にダビング作業にこだわりを持っています。近年のスケジュールでは、画面に色がつく前にダビング作業を行うことが多くなっていますが、彼はオールカラーでの作業を制作スタッフに希望しています。これは、未完成の映像に音をつける場合、動きを繋ぐ動画が入っていないため、完成品で音がズレてしまうことを防ぐためです。映像に違和感のない整合性を持たせるために、オールカラーでの作業を求めているのです。

主な作品

若林氏が音響監督として関わった作品は、テレビアニメ、OVA、劇場アニメ、Webアニメ、実写映画、ラジオドラマ、ゲームなど多岐にわたります。

テレビアニメ

1992年：姫ちゃんのリボン
1996年：天空のエスカフローネ
2002年：攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX|攻殻機動隊_STAND_ALONE_COMPLEX
2005年：交響詩篇エウレカセブン
2006年：桜蘭高校ホスト部、xxxHOLiC
2007年：精霊の守り人
2010年：侵略!イカ娘
2011年：青の祓魔師
2016年：文豪ストレイドッグス、モブサイコ100
2021年：ゴジラ S.P ＜シンギュラポイント＞

劇場アニメ

1995年：GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊|GHOST_IN_THE_SHELL___攻殻機動隊
1997年：もののけ姫
2001年：千と千尋の神隠し
2004年：ハウルの動く城
2006年：ゲド戦記
2012年：青の祓魔師 ―劇場版―
2018年：劇場版 文豪ストレイドッグス DEAD APPLE
2021年：劇場版 七つの大罪 光に呪われし者たち

OVA
1996年：元祖 爆れつハンター
2011年：xxxHOLiC・籠 あだゆめ

実写映画
2001年：アヴァロン
2015年：THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦（音響デザイン）


Webアニメ

* 2020年：ぶらどらぶ

その他

若林氏は、アニメ作品以外にも、愛知万博で上映された押井守演出作品「夢見る山」や、ゲーム『BLUE PROTOCOL|BLUE_PROTOCOL』など、幅広いジャンルで音響制作に携わっています。

若林和弘氏は、アニメーションの音響制作において、その高い技術とこだわりで、多くの作品に深みと魅力を与えてきました。彼の今後の活躍にも、注目が集まります。

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