若桜鉄道若桜線

若桜鉄道若桜線：山陰地方の秘境を走るローカル線

鳥取県八頭郡八頭町の郡家駅から、同県八頭郡若桜町の若桜駅までを結ぶ若桜線は、若桜鉄道が運営する鉄道路線です。かつては西日本旅客鉄道（JR西日本）の路線でしたが、国鉄再建法施行に伴い、特定地方交通線に指定され、廃止。その後、地域住民の強い要望を受け、第三セクター鉄道として若桜鉄道が引き継ぎました。

全長19.2kmの路線は、全線単線非電化で、9つの駅があります。各駅停車の普通列車のみが運行されており、1日14往復（土日祝は13往復）の運行本数は、時間帯によっては2時間に1本程度、朝夕ラッシュ時は1時間に1本程度の運行です。1～3両編成で運行され、1両編成の場合はワンマン運転となります。特徴的なのは、一部の列車がJR西日本の因美線と直通運転し、鳥取駅まで運行されている点です。

運行時間は、若桜駅始発が6時10分、郡家駅最終が22時29分です。かつては、郡家駅の始発は5時台、若桜駅の最終は22時でしたが、利用状況に合わせて変更されました。国鉄時代には、鳥取駅と若桜駅間で9往復の列車が運行され、その中には蒸気機関車牽引の混合列車も含まれていました。

2020年3月14日のダイヤ改正では、八東駅に列車交換設備が新設され、運行本数も増えました。同時に、JR西日本キハ47形の乗り入れが廃止されました。これにより、列車の運行効率が向上し、利便性も向上しています。

車両について

若桜線で使用されている車両は全て気動車です。現在、WT3000形とWT3300形が運行されています。過去には、JR西日本キハ47形、キハ58系、キハ65形などが使用されていました。国鉄時代には蒸気機関車も使用されており、その名残が現在も保存されています。

歴史と地域活性化

若桜線は、当初は木材輸送を目的として建設されました。しかし、林業の衰退やバス路線の増加により、次第に利用客が減少。廃線の危機に瀕する中、地域住民や行政、そして若桜鉄道の努力により、現在に至っています。

近年では、地域活性化の一環として、保存されていた蒸気機関車C12 167号機の保存運転や、観光列車「昭和」の運行などが行われています。また、2008年には、沿線にある多くの駅舎や橋梁などが国の登録有形文化財に登録され、歴史的価値も高く評価されています。さらに、郡家駅と八頭高校前駅間の運賃が100円と日本一安い運賃（2021年4月1日現在）であることも知られています。

駅について

若桜線には9つの駅があり、若桜駅は若桜鉄道の直営駅、徳丸駅は無人で、その他の駅は簡易委託駅です。郡家駅はJR西日本との共同使用駅ですが、若桜線の乗車券発券業務は行っていません。

まとめ

若桜線は、美しい自然と歴史的な建造物、そして地域住民の温かさを感じることができるローカル線です。SLの保存運転や観光列車の運行など、地域活性化の取り組みも積極的に行われており、今後も多くの観光客を呼び込むことが期待されます。日本のローカル線の成功モデルとして、注目に値する路線と言えるでしょう。

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