若桜鬼ヶ城

若桜鬼ヶ城（わかさおにがじょう）

若桜鬼ヶ城は、鳥取県八頭郡若桜町若桜にある日本の城で、その跡地は国の史跡として指定されています。因幡三名城の一つとして知られ、播磨・但馬へと繋がる街道を扼する標高452メートルの鶴尾山山頂から尾根にかけて、曲輪群が設けられています。

概要

この城は、主に木下・山崎氏時代の主要部と、国人・矢部氏時代の古城部に分かれ、中世城郭と石垣造りの近世城郭、両方の遺構が残る貴重な場所です。主要部の石垣には、元和3年（1617年）の破城による崩れた跡が見られます。

鳥取県教育委員会が平成10年（1998年）から平成15年（2003年）にかけて行った調査で、全国的にも類を見ない遺構が発見され、その価値が再認識されました。長年の課題であった権利問題が解決し、平成20年（2008年）3月28日に国の史跡に指定。さらに、平成29年（2017年）4月6日には、続日本100名城（168番）にも選定されています。

歴史

正治2年（1200年）頃、三河国から入封した矢部暉種によって築城された若桜鬼ヶ城は、鎌倉時代から室町時代、そして戦国時代末期まで矢部氏の居城でした。天正3年（1575年）には、山中幸盛の策略によって城主の矢部氏が捕らえられ、尼子再興軍の手に落ちますが、同年、吉川元春の攻撃を受け、山中幸盛らは撤退しました。

その後、羽柴秀吉率いる織田軍が因幡国に侵入すると、その拠点となり、天正9年（1581年）の鳥取城攻めの後、木下重堅が2万石を領して入城しました。

慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いでは、木下重堅が西軍に属したため改易となり、山崎家盛が3万石で入封し居城としました。山崎家盛の子、山崎家治は元和3年（1617年）に備中国成羽へ移封。因幡一国が池田氏の所領となると、一国一城令により若桜鬼ヶ城は廃城となりました。

交通アクセス

若桜鉄道若桜線 若桜駅 徒歩16分

参考文献

角田誠・谷本進編『因幡若桜鬼ヶ城』城郭談話会、2000年

関連項目

日本の城一覧
中国地方の史跡一覧
矢部氏
毛利次郎の乱

外部リンク

若桜鬼ヶ城跡 - 国指定文化財等データベース（文化庁）
鳥取県若狭町ホームページ 鬼ヶ城跡

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