苫前駅

苫前駅の歴史と概要

苫前駅（とままええき）は北海道の留萌管内に位置した国鉄羽幌線の廃駅であり、1986年まで急行「はぼろ」の停車駅でもありました。この鉄道駅は1932年に開業され、地域の交通の要所としての役割を果たしてきましたが、1987年に廃止され、今では駅の痕跡を探るのみとなっています。

駅の歴史

苫前駅は1932年9月1日に、羽幌線の古丹別駅から羽幌駅までの区間が開通した際に開業しました。当初は一般駅として設定されており、1949年からは日本国有鉄道の管理下に置かれました。1982年には貨物の取り扱いが廃止され、その後も業務委託駅として運用されていましたが、1984年には荷物の取り扱いも終了しました。

1987年3月30日、羽幌線全線が廃止されると同時に苫前駅も姿を消しました。これにより多くの地域住民にとっての便利な交通手段が失われました。

駅の構造

廃止当時、苫前駅は1面1線の単式ホームを有する地上駅でした。このホームは線路の西側に配置されており、長い間にわたって列車が発着する場として機能していました。加えて、かつては2面3線を有する駅でもあったため、列車の交換が可能な駅としても利用されていました。

駅舎は構内の西側に位置しており、ホームからは少し離れた場所にありました。業務委託駅のため、地域の交通に関する業務が行われていました。廃駅となった後、駅舎やホームは撤去されていきましたが、側線の一部が現存しています。

駅名の由来

苫前駅の名前は、その地名に由来しています。地名自体はアイヌ語の「トマ・オマ・イ」に由来しており、「ある・処」を意味しています。このように、地域の文化や歴史が駅名に反映されていることは、北海道ならではの特徴の一つです。

利用状況

1981年度のデータによると、苫前駅の1日あたりの乗降客数は153人でした。この数値からも、地域の住民にとって駅が重要な位置を占めていたことが伺えます。駅周辺は住宅地や商業施設が散在し、地域の生活基盤となっていました。

駅周辺の施設

苫前駅を中心とした地域は、北海道道582号や国道232号といった主要な道路が通っています。また、道の駅風Wとままえや苫前町役場、苫前郵便局などが駅周辺に存在し、周辺地域の生活に便利さを提供していました。

加えて、苫前岬が駅からおよそ1.2kmの距離にあり、観光地としても訪れる価値があります。

現在の駅跡

苫前駅の駅舎やホームは既に撤去されており、1999年時点では過去の名残として「構内食堂」として使われていた廃屋が見受けられました。時が経つにつれて、駅跡周辺は農村公園として整備され、地域の交流の場となっています。

このように苫前駅の歴史を振り返ることで、地域交通の変遷や人々の生活に密接に関連した存在だったことが明らかになります。この場所の思い出や歴史は、今もなお地域の人々の心の中に息づいているといえるでしょう。

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