苫小牧警察署

苫小牧警察署（とまこまいけいさつしょ）

苫小牧警察署は、北海道警察本部札幌方面に所属する警察署の一つです。北海道内でも有数の大規模警察署として位置づけられており、その組織の長である署長には警視正の階級にある者が就任しています。所在地は北海道苫小牧市旭町3丁目5番12号にあります。

管轄地域

当署の管轄区域は多岐にわたり、北海道の中央南部に広がる広範なエリアをカバーしています。具体的には、苫小牧市全域に加え、勇払郡に属する厚真町、安平町、むかわ町の各町、そして白老郡の白老町がその対象となります。これらの地域における住民の安全確保や犯罪抑止活動を担っています。

沿革

苫小牧警察署の歴史は古く、明治時代にまで遡ります。その源流は、1883年に室蘭警察署の管轄下に設置された勇払分署にあります。その後、1889年にはこの勇払分署が苫小牧分署へと名称を変更しました。警察署へと昇格を果たしたのは1921年のことです。

第二次世界大戦後の1947年、警察法の施行に伴い、国の組織である苫小牧地方警察署と、自治体警察である苫小牧町警察署に分割されました。また、同時に苫小牧地区署および国警苫小牧方面本部も設置されるなど、組織の再編が進められました。翌1948年には苫小牧方面本部が廃止され、現在の札幌方面本部の管轄下に入ることとなります。そして、1954年の新たな警察法施行により、北海道内の警察組織が一本化され北海道警察が発足した際、札幌方面苫小牧警察署として統合され、今日に至る体制が確立されました。

組織体制

大規模署である苫小牧警察署には、署長（警視正）の下に副署長（警視）が配置されています。組織は専門分野ごとに細分化されており、警務、会計、留置管理、地域、刑事、生活安全、交通、警備といった主要な部門が設置されています。これらの部門はさらに複数の課や係に分かれ、それぞれの業務を遂行しています。例えば、地域部門には地域安全に直結する地域課や自動車警ら係、刑事部門には強行犯係、知能犯係、組織犯罪対策係などが置かれています。

近年の組織改編も特徴的です。2010年以降、機能強化を目的とした組織統合や役職の見直しが行われました。当初、各課長に警視を充て、その下に警部の統括官を配置する体制が導入されましたが、2012年には統括官が課長代理と改称されました。さらに2013年には、各課を横断的に統括・監理する警務官などの管理官級ポスト（警視）が新設され、各課長は警部となるなど、より効率的で統制の取れた組織運営を目指した再編が図られています。

所在機関

苫小牧警察署庁舎内には、北海道警察本部交通部の交通機動隊苫小牧分駐所が置かれています。これは、幹線道路における交通指導取締りや交通事故捜査などを専門に行う部隊です。過去には、2005年に交通機動隊の覆面パトカーが緊急走行中に事故を起こし、一時的に部隊が解隊されるという出来事もありましたが、その後再び設置され、現在も活動を行っています。

管内の交番・駐在所

広大な管轄区域を網羅するため、苫小牧警察署は多数の交番および駐在所を設置しています。これにより、地域住民に身近な場所で警察サービスを提供しています。

苫小牧市: 糸井交番、駅前交番、木場交番、錦岡交番、沼ノ端交番、沼ノ端北交番、双葉交番、本町交番、美園交番、山手交番、弥生交番、勇払駐在所など。
厚真町: 厚真駐在所、上厚真駐在所。
安平町: 安平駐在所、追分駐在所、遠浅駐在所、早来駐在所。
白老町: 白老交番、萩野交番、虎杖浜駐在所、竹浦駐在所。
むかわ町: 鵡川交番、穂別駐在所。

これらの拠点を通じて、各地域におけるパトロール活動や各種届出の受付、相談対応などが行われています。

その他

組織運営に関連する出来事として、2012年2月から3月にかけて、当時の署長および副署長が共に交代となる事態が発生しました。また、過去に発生した事件の中には、未解決となっているものも存在し、主なものとして厚真猟銃事件などが挙げられます。

苫小牧警察署に関する詳細な情報や各種手続きについては、公式ウェブサイト等で確認することができます。

[参考資料]

苫小牧警察署 公式ウェブサイト

※上記情報は、公開されている情報を基にまとめたものであり、最新の組織体制や事件捜査状況を常に反映しているものではありません。

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