茂谷山 (鹿角市)

茂谷山（もややま）は、秋田県鹿角市に位置する標高362メートルの山です。

概要

地元では「毛馬内富士（けまないふじ）」の愛称で親しまれ、まさに故郷のシンボルとして愛されています。地域住民にとっては心の拠り所であり、長年にわたり親しまれてきました。また、小中学生にとっては遠足の定番コースとなっており、自然に親しみ、地域への愛着を育む場となっています。

山の麓には、月山神社が鎮座しており、地域住民の信仰を集めています。また、秋田県鹿角市遺跡詳細分布調査報告書には、母谷下館跡、門ノ沢A遺跡、門ノ沢B遺跡、茂谷山麓遺跡（縄文、中世）など、数多くの遺跡が記録されており、この地が古くから人々の生活の場であったことを物語っています。これらの遺跡は、縄文時代や中世の人々の暮らしぶりを今に伝える貴重な文化遺産であり、歴史ファンにとっても興味深いスポットとなっています。

茂谷山は、毛馬内沢川（米代川水系支流小坂川水系）流域に位置しています。豊かな自然に恵まれ、四季折々の美しい景色を楽しむことができます。春には新緑が芽吹き、夏には深緑が山を覆い、秋には紅葉が山全体を鮮やかに彩ります。冬には雪化粧をまとい、幻想的な風景が広がります。

伝承

茂谷山には、興味深い伝承が残されています。昔、十和田湖を追われた八郎太郎が、茂谷山の中腹に綱をかけて引き寄せ、鹿角（現在の秋田県鹿角市・小坂町、岩手県八幡平市の一部）を湖にして住もうとしました。しかし、鹿角の神々によって阻まれ、その野望を諦めたと伝えられています。この伝承は、地域の自然に対する畏敬の念や、神々への信仰を表しており、今もなお地域住民に語り継がれています。八郎太郎伝説は、秋田県を中心に広く分布していますが、茂谷山にまつわる伝承は、この地域の独特な文化を反映していると言えるでしょう。

茂谷山は、豊かな自然、歴史的な遺跡、そして興味深い伝承が息づく、魅力あふれる山です。地元住民にとっては故郷のシンボルであり、訪れる人々にとっては癒しと発見を与えてくれる場所です。ぜひ一度、茂谷山を訪れて、その魅力を体感してみてください。

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