茅ヶ崎運輸区

茅ヶ崎運輸区（ちがさきうんゆく）

茅ヶ崎運輸区は、かつて神奈川県茅ヶ崎市に存在した東日本旅客鉄道（JR東日本）横浜支社の組織です。主に列車の運転士や車掌が所属し、日々の列車の安全運行を担っていました。特に、相模線における運行業務において重要な役割を果たしていましたが、組織体制の変更に伴い、2022年3月11日をもって廃止されました。現在は、その機能の一部が湘南・相模統括センターの傘下にある茅ヶ崎乗務ユニットへと引き継がれています。

概要と機能

茅ヶ崎運輸区の前身は茅ヶ崎運転区であり、相模線の非電化時代には、キハ10系やキハ35系といった気動車が配置される車両基地としての機能も併せ持っていました。相模線が電化された後は、主に同線で運用されるE131系電車の車両基地として活用されていました。また、運輸区の構内には貨物線に並行して5本の留置線が設けられており、平日朝夕に運行される特急列車などが一時的に留置される「間合い留置」に利用されることもありました。

かつては、2007年5月まで、新鶴見機関区川崎派出に所属するディーゼル機関車DE11形が2両常駐しており、そのうち1両が相模貨物駅構内での入換作業を交代で担当していました。車両の車体などに記される略号は「東チサ」でした。これは、JR東日本の東京地域本社（現在の東京支社）を示す「東」と、茅ヶ崎の「チサ」を組み合わせたものです。

主な乗務範囲

茅ヶ崎運輸区に所属する乗務員は、主に以下の区間を担当していました。

• - 相模線：茅ケ崎駅から橋本駅までの全区間。
• - 横浜線：相模線からの直通列車に限り、橋本駅から八王子駅までの区間。
• - 東海道貨物線：回送列車に限定されますが、茅ケ崎駅から国府津駅までの区間。

沿革

茅ヶ崎における運転・乗務員組織は、相模線の歴史と共に変遷してきました。

1995年11月1日: 相模線の電化後も残存していたキハ35系気動車5両が廃車されました。
1997年11月13日: 運転部門を担う茅ヶ崎運転区と車掌部門を担う茅ヶ崎車掌区が統合され、運転士と車掌が一体的に所属する組織として「茅ヶ崎運輸区」が発足しました。
2007年5月: 相模貨物駅での入換作業を担当していたディーゼル機関車の常駐が終了しました。
2022年3月12日: ダイヤ改正により相模線のワンマン運転化が開始され、これに伴い車掌行路が廃止されました。この組織再編に合わせて、東海道本線の藤沢駅〜二宮駅間の各駅、相模線の各駅、そして茅ヶ崎運輸区が統合され、「湘南・相模統括センター」が発足し、茅ヶ崎運輸区は廃止されました。
* 2024年10月1日: 国府津運輸区が湘南・相模統括センターに統合されることに伴い、旧茅ヶ崎運輸区の機能を引き継いだ組織は「茅ヶ崎乗務ユニット」と名称が変更されました。

このように、茅ヶ崎運輸区は、相模線の非電化時代から電化、そしてその後の運行体制や組織再編といった歴史的な変化の中で、地域の鉄道輸送を支え続けた重要な拠点でした。その名称は過去のものとなりましたが、現在は湘南・相模統括センター茅ヶ崎乗務ユニットとして、その機能は引き継がれています。

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