茨城県道139号筑波山公園線

茨城県道139号筑波山公園線

茨城県道139号筑波山公園線は、茨城県つくば市筑波の筑波公園を起点とし、つくば市北条に至る全長約6.4kmの県道です。この道路は、筑波山中腹に位置する筑波山神社への参道であった「つくば道」をほぼそのまま県道として指定したもので、関東の霊峰・筑波山への歴史的なアクセスルートとしての役割を担っています。

概要

この県道は、筑波山神社前からつくば市北条の市街地までを南北に結び、筑波山の豊かな自然と歴史的な景観を堪能できる道です。

起点: 茨城県つくば市筑波296番1地先（筑波山神社前）
終点: 茨城県つくば市北条87番2地先（茨城県道138号石岡つくば線交点）
総延長: 6.438 km
実延長: 4.425 km
自動車交通不能区間延長: 0.790 km

歴史

江戸時代、筑波山は徳川将軍家の祈願所として手厚く保護され、特に3代将軍家光の時代には、幕府の全額負担で筑波山神社の改修工事が行われました。この工事の際に、労働者や資材を運搬するために整備された道が「つくば道」であると言われています。

1982年（昭和57年）に、旧県道筑波公園線に代わる新たな一般県道として、筑波公園を起点、筑波郡筑波町大字北条を終点とする区間が茨城県によって認定されました。その後、1995年（平成7年）の整理番号再編により、現在の整理番号139となりました。

年表

1965年（昭和40年）：前身となる筑波公園線の道路拡幅・路線延長。
1982年（昭和57年）：県道筑波山公園線として路線認定、同時に旧筑波公園線と八郷筑波線を廃止。
1995年（平成7年）：整理番号が164から139に変更。
2013年（平成25年）：筑波山神社前に転回場が設置。

路線状況

筑波山神社へ続く古くからの参道であるため、道幅が非常に狭く、急勾配が連続する区間が存在します。特に神社前から麓の臼井地区にかけては、つづら折りの道ではなく、斜面を直線的に登る形になっており、自動車での通行には注意が必要です。この区間は、最小幅員が2.4mと狭く、急な坂道が続くため、スリップ防止用の段差付きコンクリート舗装が施されています。しかし、民家の入り口付近では路面が大きく波打っている箇所もあります。

自動車での筑波山へのアクセスは、一般的には、茨城県道42号笠間つくば線や、茨城県道236号筑波公園永井線（旧・表筑波スカイライン）を利用するのが推奨されています。

「つくば道」は、その歴史的価値が認められ、「日本の道100選」にも選ばれており、徒歩で散策すると、江戸時代から続く歴史と文化を感じることができます。また、「関東ふれあいの道」にも指定されており、筑波山の自然を満喫できる散策コースとしても人気があります。

起点となっている筑波山神社前は行き止まりですが、2013年に整備された転回場（ロータリー）によって、自動車でのUターンが可能になり、周辺の混雑緩和に役立っています。

重複区間

筑波道の最も勾配が急な区間は県道指定されておらず、県道笠間つくば線と合流する区間が重複区間となっています。

茨城県道42号笠間つくば線（つくば市筑波）

道路施設

白滝橋（逆川、つくば市臼井 - 神郡）

地理

この県道は、筑波山への信仰の道でもあります。筑波山は、男体山と女体山からなる双耳峰で、古くから神が住む山として信仰されてきました。山の中腹にある筑波山神社には、イザナギ・イザナミの二神が祀られており、縁結びや夫婦円満の神様として崇められています。

終点のつくば市北条は、かつて筑波山への登山の拠点として栄えた場所で、古い町並みが残っています。交差点付近には「これよりつくば道」と刻まれた道標があり、ここから北へ進むと筑波山へと向かうことができます。

通過する自治体

茨城県
つくば市

交差する道路

茨城県道42号笠間つくば線（重複）
茨城県道138号石岡つくば線（終点）

沿線

筑波山
筑波山神社
つくば田井郵便局

まとめ

茨城県道139号筑波山公園線は、単なる移動手段としての道路ではなく、筑波山の歴史と自然を感じられる特別な道です。この道を歩くことで、江戸時代からの歴史や、筑波山の信仰、自然の美しさを感じることができます。

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