関東ふれあいの道

関東ふれあいの道（首都圏自然歩道）

関東ふれあいの道は、環境省が推進する長距離自然歩道構想の一環として、関東地方の1都6県（東京都、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、神奈川県）が協力して整備した、総延長約1,800kmに及ぶ広域自然歩道です。別名を「首都圏自然歩道」と称し、多様な自然景観や歴史文化に親しむことを目的としています。

この道の正式な起終点は、東京都八王子市の高尾山麓にある梅の木平に位置します。ルートはここから東京都をスタートし、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、神奈川県と、関東地方をほぼ一周する形で設定されています。かつて総延長は1,665kmでしたが、2007年から2009年にかけて、栃木県茂木町から東北自然歩道の起点である福島県白河市に至る新たなコース134kmが追加整備され、現在の総延長は1,799kmとなっています。

沿線には日本の代表的な自然公園が点在しており、秩父多摩国立公園や日光国立公園といった国立公園のほか、明治の森高尾、妙義荒船佐久高原、水郷筑波、南房総、丹沢大山といった国定公園を通過します。また、高尾山、奥多摩、妙義山、筑波山、九十九里浜、三浦半島、丹沢など、各地のランドマークとなる山々や海岸線がルートに含まれており、豊かな自然景観、のどかな田園風景、そして各地に息づく歴史や文化遺産に触れることができるように配慮されています。

関東ふれあいの道は、利用者が気軽に楽しめるよう、概ね10km前後の日帰り向けコースに細かく区切られています。ただし、交通量の多い道路など、自然歩道として適さない区間は「連絡コース」としてルートに含まれていないため、全てのコースが物理的に連続しているわけではありません。

自然の中を歩くため、台風や土砂災害などにより、コースの一部が変更されたり、一時的に通行止めになることがあります。安全に歩くためには、事前に各都県が管理する首都圏自然歩道「関東ふれあいの道」の公式サイトなどで、最新の情報を確認することが不可欠です。また、コースによってはバス路線が廃止されている場合もあり、アクセス方法の確認も重要です。

踏破認定制度

本自然歩道では、利用者の達成感を高めるための「踏破認定制度」が設けられています。各都県が設定する全てのコースを踏破し、申請手続きを行うと、首都圏自然歩道連絡協議会からその都県の踏破認定証と記念バッジが交付されます。申請時には、各コースの指定された場所で申請者自身が写った写真と、歩いた感想を提出する必要があります。さらに、全7都県の全てのコースを完歩した際には、他の都県の認定証の写しを添えて最終申請を行うことで、全コース踏破者として特別な認定証と記念バッジを授与されます。

各都県のルート例

関東ふれあいの道には、各都県に地域の特色を反映した多様なコースが多数設定されています。以下はその一例です。

• - 東京都: 湖のみち、鳥のみち、富士見のみち、歴史のみち、鍾乳洞と滝のみち など
• - 埼玉県: 水源のみち、奥武蔵の古刹を訪ねるみち、伊豆ヶ岳を越えるみち、峠の歴史をしのぶみち、大霧山に登るみち、長瀞の自然と歴史を学ぶみち など
• - 群馬県: 三波石峡のみち、渓谷を下るみち、小梨峠から牛伏山へのみち、石碑めぐりのみち、白衣観音めぐりのみち、妙義山登山コース、榛名山へのみち など
• - 栃木県: 赤銅のみち、修験行者の道、高原と牧場のみち、山なみのみち、歴史のまちを望むみち、焼物としいの木のみち、アユおどる清流のみち など
• - 茨城県: 青少年旅行村のあるみち、杉並木の美しいみち、伝説の山と僧兵ゆかりのみち、筑波連山縦走のみち、筑波山頂めぐりのみち、水の恵みを知るみち など
• - 千葉県: 坂東太郎のみち、自然と歴史をたどるみち、古墳をたずねるみち、水鳥のみち、九十九里の砂をふみしめて歩くみち、荒磯のみち、理想郷をたずねるみち など
• - 神奈川県: 三浦・岩礁のみち、油壺・入江のみち、荒崎・潮騒のみち、湘南海岸・砂浜のみち、弘法大師と桜のみち、太田道灌・日向薬師のみち、丹沢山塊東辺のみち など

これらの多彩なコースを通じて、様々な角度から関東地方の魅力を発見し、自然歩道ならではの楽しみ方ができます。

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