草加松原

草加松原

草加松原は、埼玉県草加市にある国指定の名勝で、旧日光街道の草加六丁目橋付近から旭町一丁目南端にかけて、綾瀬川沿いに約1.5kmに渡って続くクロ[[マツ]]の並木道です。その美しさから「千本松原」とも呼ばれています。

概要

草加松原は、かつて日光街道の宿場町として栄えた草加宿の北の拠点に位置しています。綾瀬川の舟運で賑わった札場河岸があり、古くから人々の往来が盛んな場所でした。現在では、石畳が敷かれた遊歩道が整備されており、散策やジョギングを楽しむ人々で賑わっています。遊歩道には、百代橋や矢立橋といった橋が架けられており、連続性のある歩行空間が確保されています。松並木のすぐ西側には埼玉県道49号足立越谷線が並行して走っています。

以前は、この松並木の中に上り車線が通っていましたが、1982年（昭和57年）に車線が移設され、遊歩道として整備されました。この遊歩道は、昭和62年度に手づくり郷土賞（ふれあいの並木道）を受賞し、また旧建設省と「道の日」実行委員会によって制定された「日本の道100選」にも選定されています。

歴史

草加松原の松並木の植樹時期については諸説ありますが、最も古い記録としては、1792年（寛政4年）に1230本の苗木が植えられたという史料が確認されています。江戸時代には「草加松原」あるいは「千本松原」と呼ばれ、多くの旅人に親しまれてきました。松尾芭蕉の『おくのほそ道』にも、草加宿の様子が描かれています。

しかし、明治時代以降、モータリゼーションの影響で、自動車の排ガスによる松の枯死が進み、一時800本以上あった松が、60本余りまで減少しました。そのため、地域住民による保存活動が行われ、1976年（昭和51年）には「松並木保存会」が結成されました。植樹や手入れなどの活動を通して、松並木は徐々に回復し、2008年（平成20年）には633本まで回復しています。

草加松原遊歩道

1982年（昭和57年）に県道足立越谷線の上り車線が移設されたことをきっかけに、1985年（昭和60年）から埼玉県と草加市が共同で「埼玉シンボルロード整備計画」として、草加松原遊歩道の整備を開始しました。3年後には、歴史ゾーン、イベントゾーン、シンボルゾーン、松原ゾーン、せせらぎゾーンといった、水と緑が調和する5つの空間エリアが完成しました。この遊歩道は、散策やジョギングだけでなく、イベント会場としても利用されています。

沿革

1987年（昭和62年）8月10日 - 「日本の道100選」に選定
2014年（平成26年）3月18日 - 「おくのほそ道の風景地 草加松原」として国の名勝に指定

風景

草加松原は、緑豊かな松並木と綾瀬川の清流が織りなす美しい風景が魅力です。遊歩道を歩けば、四季折々の自然を感じることができます。春には桜が咲き誇り、夏には涼やかな風が吹き抜けます。秋には紅葉が美しく、冬には雪景色も楽しめます。また、夕暮れ時には、夕日に照らされた松並木が幻想的な雰囲気を醸し出します。

アクセス

東武スカイツリーライン獨協大学前駅より徒歩約10分。

周辺情報

草加松原周辺には、草加宿の史跡や、草加せんべいの老舗など、見どころがたくさんあります。また、草加市文化会館や、草加市立歴史民俗資料館などの文化施設も充実しています。


草加松原は、歴史と自然が調和した、魅力的なスポットです。ぜひ一度訪れて、その美しい景観を堪能してみてください。

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