草戸稲荷神社

草戸稲荷神社の魅力

草戸稲荷神社（くさどいなりじんじゃ）は、広島県福山市草戸町に位置し、数ある稲荷神社の中でも特に有名な存在です。この神社は、約40万人の初詣参拝者を迎え入れることで知られ、広島県内でも有数の人気スポットとなっています。

概要

草戸稲荷神社は、二十社近くの摂末社を持つ稲荷神社であり、境内には八幡神社も祀られています。当初、本殿は拝殿の背後にありましたが、昭和末期に懸造風のコンクリート基礎の上へと移設されました。この新しい本殿からは、福山市街を一望できる素晴らしい景観が広がります。

沿革

この神社の始まりは、平安時代の807年（大同2年）に遡ります。伝説によると、空海が明王院を開基した際に、この神社を鎮守として祀ったとされています。元々は、現在の境内地である芦田川の中州、草戸千軒町に存在した小さな社でした。刀匠・法華一乗が剣を奉納した際に稲荷の霊験を感じ、稲荷を信仰したことが、後にこの地に勧請されたと言われています。

社殿はかつて、この中州に位置していたため、洪水の影響を受けやすく、何度も流失したと伝えられています。寛永11年（1633年）には福山藩初代藩主・水野勝成の再建があり、承応元年（1652年）にはその三代藩主・水野勝貞が、父の病気平癒を祈願し参拝しました。その後、社地は現在の境内地へと遷されました。

また、近隣の愛宕山には草戸愛宕神社があり、それは明王院の鎮守社でありましたが、明治時代の神仏分離令により、草戸稲荷神社の管轄となりました。

祭神

草戸稲荷神社では、以下の三柱の神々が祀られています。

• - 宇迦之御魂神
• - 保食神
• - 大己貴神

それぞれの神は、農業や漁業、商売繁盛など、さまざまな方面でのご利益を授けていると信じられています。

境内の特徴

神社の境内には数々の見どころがあります。拝殿や本殿はもちろん、懸造風の基礎に鎮座する本殿の周辺には、大小さまざまな摂末社が点在しています。特に、境内前に架かる稲荷橋は、その美しい形状が訪れる人々の目を引きます。

他にも、社務所や草戸歴史民俗資料館もあり、地域の文化や歴史について学ぶことができます。

境内社の一部

• - 草戸八幡神社
• - 三喜稲荷
• - 五社稲荷
• - 眼力社
• - 金毘羅社

など、数多くの境内社があります。それぞれの神社が持つ独自の祈願や神徳は、訪れた人々に新たな発見をもたらしてくれるでしょう。

文化財

草戸稲荷神社には、福山市指定の重要文化財も存在します。特に、草戸愛宕神社の本殿は1964年（昭和39年）に指定されており、その保存状態は非常に良好です。江戸時代初期の建築様式を今に伝える貴重な文化財です。

周辺の名所

神社の近くには草戸千軒町遺跡や明王院、広島県立福山明王台高等学校など、歴史的価値のある施設が多くあります。観光と歴史散策を楽しむには絶好の場所です。

このように、草戸稲荷神社は歴史、文化、自然が融合した霊験あらたかな場所であり、多くの人々に愛され続けています。

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