荒井駅 (兵庫県)

荒井駅：歴史と人々の暮らしを支える山陽電鉄の駅

はじめに

兵庫県高砂市荒井町扇町に位置する荒井駅は、山陽電気鉄道本線に属する駅です。1923年の開業以来、地域住民の生活や近隣企業の活動を支える重要な交通拠点として、長きにわたって発展を続けてきました。本稿では、荒井駅の開業から現在までの歴史、駅構造、利用状況、周辺環境、そして歴史上の出来事などについて詳細に解説します。

開業から現在までの歴史

荒井駅は、1923年（大正12年）8月19日、神戸姫路電気鉄道の開業と同時に誕生しました。その後、会社合併を経て、1933年（昭和8年）6月6日には山陽電気鉄道の駅となります。1941年（昭和16年）7月17日には駅舎が移転され、地下道が設置されました。1961年（昭和36年）10月9日には急行停車駅となり、利用者の利便性が向上しました。しかし、1984年（昭和59年）3月25日には急行列車が廃止されました。

2008年（平成20年）2月からは直通特急停車に向けたホーム延伸工事が始まり、同年4月14日には一部直通特急が停車を開始。2009年（平成21年）3月20日のダイヤ改正により、直通特急の停車時間帯が拡大され、山陽特急の一部も停車するようになりました。

2013年（平成25年）2月12日には、神鋼前踏切で発生した事故により、駅設備や周辺施設に被害が出ましたが、2月14日には通常運行を再開しました。2020年（令和2年）1月8日には、下り線ホームに出場専用臨時改札口が設置されました。

駅構造とバリアフリー化

荒井駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、有効長は6両分です。改札口は地上と地下にあり、互いのホーム間は地下コンコースを利用して移動します。両改札口とも無人駅です。地下改札は、駅構内東側をアンダーパスする公共の地下道と接続しており、現在は終日利用可能です。また、駅南西部にはICカード専用の出口専用改札があり、朝の通勤時間帯のみ使用されます。

2011年春にはバリアフリー化工事が完了し、エレベーター専用跨線橋が設置されました。上りホーム側のエレベーターは、改札階、上りホーム、跨線橋の3ヶ所に停車する珍しい仕様となっています。

利用状況と周辺環境

2021年度の1日平均乗車人員は5,568人で、山陽電気鉄道の全49駅中第4位です。特急通過駅としては最多の乗車人員を誇ります。近隣企業の通勤形態の変化により、利用者数は増加傾向にあり、定期利用者の割合は約80％に達します（2017年度時点）。

駅周辺には、三菱重工業高砂製作所、神戸製鋼所高砂製作所、タクマ播磨工場、キッコーマン高砂工場などの大企業が集積しており、これらが駅の利用者数の増加に大きく寄与しています。その他、高砂市民病院、高砂警察署、高砂荒井郵便局、学校、公園、商業施設など、生活に必要な施設が充実しています。かつてはキッコーマンへの専用線や山陽電鉄のバス車庫もありました。

隣の駅

まとめ

荒井駅は、歴史と発展を遂げてきた、地域社会に密着した駅です。今後も地域住民や近隣企業の生活を支える重要な交通拠点として、その役割を果たし続けることでしょう。

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