荒川務

荒川 務（あらかわ つとむ）は、1960年8月26日生まれ、東京都出身の日本の元歌手であり、現在は劇団四季に所属するミュージカル俳優です。B型。

経歴

荒川務のキャリアは、幼少期に俳優である父親の影響を受け、劇団ひまわりに入団したことから始まります。

アイドル歌手としてデビュー

13歳となった頃、テレビのモノマネ番組で郷ひろみの歌を披露したことが、タレントの松島トモ子の目に留まる契機となりました。これを機に芸能事務所「第一共永」に所属し、NAVレコードからシングル「太陽の日曜日」で歌手デビューを果たします。

翌1974年には、第16回日本レコード大賞において栄えある新人賞を受賞。一躍人気アイドル歌手として、精力的に活動を展開しました。

ミュージカル俳優への転換

1979年、劇団四季のミュージカル『コーラスライン』のオーディションに挑戦しますが、この時は不合格となります。しかし、翌1980年には、奈良橋陽子が演出を手がけたミュージカル『ヘアー』のオーディションに合格し、主演であるクロード役を演じる機会を得ました。

この経験を機にミュージカルの世界へ傾倒し、舞台への出演を続けながら研鑽を積みます。更なる技術向上を目指し、単身ニューヨークへ渡航。約5年間にわたり、タップダンスやバレエなど、舞台に必要な様々なダンスレッスンに励みました。

劇団四季での活躍

単身ニューヨークでの研鑽を経て、1985年に再び劇団四季のオーディションに挑戦。見事に合格を果たし、念願の劇団入りが実現します。翌1986年、『ウエストサイド物語』の重要な役どころであるリフ役で劇団四季の舞台に初めて立ちました。

以降、荒川務は劇団四季の中心俳優の一人として、数多くの人気ミュージカルで主要な役を務めています。代表的な出演作と役柄には、以下のようなものがあります。

キャッツ: ラム・タム・タガー、マンカストラップ
夢から醒めた夢: メソ、夢の配達人
クレイジー・フォー・ユー: ボビー・チャイルド、ベラ・ザングラー
美女と野獣: ビースト
マンマ・ミーア!: サム・カーマイケル
リトルマーメイド: スカットル、セバスチャン
* サウンド・オブ・ミュージック: マックス

ミュージカルだけでなく、ストレートプレイにも出演しており、『オンディーヌ』のハンス役や、『ヴェニスの商人』のアントーニオー役などを務めました。

ディスコグラフィ

アイドル歌手時代には、NAVレコードから多数のシングルやアルバムをリリースしています。また、アニメソングも手掛けており、人気アニメ「キン肉マン」のイメージソングや、「超人ロック〈光の剣〉」のイメージソングなども歌っています。

アイドルとして華々しい成功を収め、その後はミュージカル俳優として劇団四季の舞台で重要な役割を担い続ける荒川務は、歌唱力とダンス、演技力を兼ね備えた、日本のエンターテインメント界において特異かつ多才なキャリアを歩んだパフォーマーと言えるでしょう。

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