荒川大橋

荒川大橋と新荒川大橋

埼玉県熊谷市に位置する荒川大橋と新荒川大橋は、国道407号の一部として荒川を越える重要な道路橋です。この二つの橋は、熊谷市河原町と村岡の間にかかり、全長は846メートルに及びます。下り線である荒川大橋は1969年に完成し、上り線の新荒川大橋は1980年に完成しました。これにより、熊谷市と東松山市をつなぐ交通路としての役割を果たしています。

歴史的背景

荒川大橋の歴史は1909年にさかのぼります。この年、木製の橋が架けられ、その前は村岡の渡しが使われていました。しかし、1914年に発生した洪水により、橋の一部が流出してしまいます。その後、流出した部分は1917年にプラットトラス形式で修復されましたが、1921年には残っていた木造部分も流出してしまいました。ここで、再度同じ形式で修復を行い、1925年には橋脚を残して1909年当時の姿ではなくなりました。

1954年には荒川の改修工事が行われ、川幅が広がったことから、橋をコンクリートで延長する工事が実施されました。そして、1963年に橋は架け替えられ、1969年には現在の荒川大橋が完成しました。その後、1980年には新荒川大橋が架けられ、これにより旧荒川大橋は役目を終え、撤去されることとなりました。ただし、村岡側には一部が保存されたモニュメントがあります。

周辺の魅力

荒川大橋周辺は自然の美しさも享受でき、特に河原町側の堤防は「熊谷桜堤」と呼ばれており、日本のさくら名所100選にも選ばれています。毎年、春には熊谷さくら祭が開催され、多くの花見客で賑わいます。また、夏には熊谷花火大会が催され、村岡側の河川敷から打ち上げられる花火を、橋の歩道から観覧することができるため、多くの人々が訪れます。

この橋はまた、国際十王交通のバスラインが走っており、JR上越新幹線や高崎線、秩父鉄道といった交通機関とも接続されているため、交通の要所としても重要な役割を果たしています。近くには榎町停留所と大橋南停留所が設置されており、交通手段の利便性も高まっています。熊谷駅からは徒歩約10分の距離に位置しています。

荒川大橋と新荒川大橋の混同

興味深いことに、同じ荒川に架かる別の新荒川大橋が1927年に約55キロ下流に建設されています。このため、地元では上記の荒川大橋を単に「荒川大橋」と呼ぶことが一般的です。また、別の新荒川大橋が1970年にさらに下流に追加されており、国道122号の橋としても知られています。したがって、交通機関によっては、両方の橋を一括して「荒川大橋」と呼ぶことがあります。

自転車利用の観光スポット

荒川大橋は、埼玉県が進める自転車みどころスポットを巡るルートにも指定されています。「熊谷桜堤周遊ルート」として、サイクリング愛好者にとっても魅力的なスポットとなっています。

荒川大橋と新荒川大橋は、ただの交通手段以上の存在であり、地域の歴史や自然を感じることができる重要な場所となっています。

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