荒川邦蔵

荒川邦蔵

荒川邦蔵（あらかわ くにぞう）は、嘉永5年（1852年）4月に生まれ、明治36年（1903年）10月11日に没した、明治時代の官僚であり政治家です。長州藩出身で、内務省を中心に様々な役職を歴任し、福井県知事も務めました。

来歴と業績

荒川邦蔵は、内務省衛生局長を経て、1892年11月16日に福井県知事に就任しました。前任の牧野伸顕の後を引き継ぐ形となりました。知事として、荒川は濃尾地震で大きな被害を受けた道路などの復旧に尽力し、県費を全額投入しました。また、県内の女子の就学を積極的に奨励し、教育の普及に貢献しました。福井県知事としての任期は1897年4月6日まででした。

1898年には内務省県治局長に任命されましたが、間もなく辞任しました。その後、帝国党の組織に力を注ぎました。1903年10月11日に病のため死去。同日、その功績を称えられ、位が一級進み正四位に叙せられました。

栄典

位階

1891年（明治24年）12月10日 - 従五位
1897年（明治30年）5月31日 - 従四位
1903年（明治36年）10月11日 - 正四位

勲章

1892年（明治25年）6月29日 - 勲五等瑞宝章
1894年（明治27年）12月26日 - 勲四等瑞宝章

著書

荒川邦蔵は、翻訳書を多く手がけており、法学や行政に関する知識を日本に紹介しました。主な著書として、以下のものがあります。

1877年5月 『万国公法』（訳書、オーガスト・ウィルヘルム・ヘフター・原著）
1879年7月 『類聚孛国警察法』（寺田祐之・共訳）
1880年7月 『孛国地方行政法類集』（訳書）
1882年7月 『国理論』（訳書、ローレンツ・フォン・シュタイン・原著）
1882年 『孛漏生国法論』（木下周一・共訳、ヘルマン・シュルツェ＝デーリチュ・原著）
1883年5月 『独逸学ノ利害及国家ニ対スルノ得失』（ヘルマン・ロエスレル・述）
1884年5月 『孛国地方自治一班. 第1,2』
1886年5月 『孛国地方制度一斑』（訳書、カール・フライヘル・フォン・シュテンゲル・原著）
1888年5月 『孛国地方制度一斑』（編）

参考文献

東京経済雑誌社『日本人名辞書』1921年
上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。
歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。

関連項目

獨逸学協会

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