荒戸源次郎

荒戸源次郎 - 日本の映画界の巨星

荒戸源次郎（あらと げんじろう、1946年10月10日 - 2016年11月7日）は、日本の映画プロデューサー、映画監督、俳優であり、劇団天象儀を主宰していた人物です。本名は吉村敏夫（よしむら としお）。彼は映画業界における革新的な取り組みと、圧倒的な情熱をもって制作活動を行いました。

来歴

1946年、長崎県に生を受け、早くに福岡市へ移り住みました。彼の祖父は隠れキリシタンで、ポルトガル系の血を引いていたと言われています。荒戸は高校時代にラグビー部に所属し、若さゆえの無茶も経験しました。特に熊本のあるヤクザの家に居住し、パチンコ屋で用心棒的な仕事をしていたこともあるようです。大学では九州大学の建築科に進学しましたが、学生運動に身を投じ、数か月で中退。その後、東京へ上京し、唐十郎が主宰する劇団状況劇場と出会い、演劇の道を歩み始めます。

状況劇場では、彼は若頭のような存在感を示しましたが、仲間への暴力行為から劇団を退団し、その後のキャリアに影響を与ました。1972年、上杉清文らとともに劇団天象儀を旗揚げし、多彩なメンバーと共に共同生活を送りながら、演劇活動を展開します。1973年には自主制作した映画『愛欲の罠』で主演を務め、彼の映画キャリアが始まります。

1980年には、鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』の製作を手掛け、映画公開のために専用の小屋を建設するという新たな試みを成功させます。その後も『陽炎座』や『どついたるねん』など、数多くの作品を手がけます。

荒戸は1995年に内田春菊の原作で映画監督デビューを果たし、多くの話題作を世に送り出しました。2003年には、『赤目四十八瀧心中未遂』を監督し、受賞歴も豊富な作品に仕上げました。この映画により、俳優の映画デビューを手助けし、彼自身も多くの新しい talentを発掘していきました。

彼自身の映画館設立や独自の映画制作方式など、革新的なアプローチで映画界での地位を確立し続けました。2007年には夏石鈴子と結婚し、プライベートの面でも新しいスタートを切ることとなります。2010年には、堅実な演出力をもって『人間失格』で監督を任されるなど、再び注目を集めます。

荒戸はまた舞台にも積極的に関わり、2013年には劇団アロッタファジャイナでの公演に出演し、その翌年には演出も手掛けました。2016年に虚血性心疾患により70歳でこの世を去るまで、彼は日本映画界に多大な影響を与えました。

自身のベスト作品

彼は自己のベスト作品として、『オルフェ』や『道』など、多くの外国映画から強く影響を受けた作品を挙げています。また、彼のフィルモグラフィーには、多彩なジャンルの映画が並び、その幅広い才能がうかがえます。荒戸源次郎の遺した足跡は、今なお多くの映画人、俳優に感化を与え続けています。

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