荒木久美

荒木久美: 日本の女子マラソンの先駆者

荒木久美（あらき くみ、現姓名・窪田久美）は、1965年10月11日生まれの日本の元女子陸上競技選手です。福岡県小郡市に生まれ、彼女の陸上競技人生は高校時代から始まりました。特に長距離走やマラソンにおいてその才能を発揮し、いくつもの歴史的瞬間を創り出しました。

初期のキャリア

荒木は久留米市立南筑高等学校に在学中、全国都道府県対抗女子駅伝競走大会に出場し、駅伝の魅力に引き込まれました。卒業後の1984年4月、鹿児島県国分市の京セラ国分工場に就職し、女子陸上部に加入。彼女はすぐに頭角を現し、1986年の全国都道府県対抗女子駅伝では優勝メンバーの一員となります。また、同年のソウルアジア競技大会では女子10000mで銀メダルを獲得、名実ともにトップアスリートへと成長していきました。

マラソンへの挑戦

1987年には名古屋国際女子マラソンに初出場し、5位の好成績を収め、その後も数々の大会での活躍が期待されます。1988年のソウルオリンピック代表選考会では、非常にペースの速いレースの中で自己の戦略を貫き、見事に3位に入賞し、オリンピック代表に選ばれました。しかし、オリンピック本番では、スタート直後の転倒が影響し、結果は28位と振るいませんでした。

その後も、荒木はニューヨークシティマラソンにおいて自己ベストの2時間30分で4位に入賞し、1990年には名古屋国際女子マラソンで優勝争いに絡む2位となりました。この実績によって、同年の北京アジア大会女子マラソンへの代表選出が決まりました。

国際舞台での成果

1990年9月の北京アジア大会では銀メダルを獲得し、1991年の世界陸上東京大会では12位、1992年の大阪国際女子マラソンでは10位に終わりますが、選考レースとして重要な役割を果たしました。この大会を最後に、彼女のマラソンとしてのキャリアは幕を下ろしました。

引退後の活動

バルセロナオリンピック後、荒木はトラック競技を続けるも、特筆すべき成果は上げられず、1994年には陸上部を退部し、第一線から引退します。1998年に結婚し、心理学に興味を持ち、2003年に専門学校を卒業後、心理相談員として活動しました。

その後は子育てやランニング指導、講演などを通して地域貢献に力を入れていますが、2020年には新型コロナウイルスの影響で出場予定の大会が中止になり、彼女の活動にも影響が出ました。

現在の活動

現在は、鹿児島県体育協会の競技力向上委員会委員長として地域の陸上競技の振興に寄与しています。また、鹿児島マラソンにはゲストランナーとして出場し、地域住民との交流を深めるなど、陸上界において重要な役割を果たし続けています。

荒木久美の陸上競技における功績は、他の多くの女子選手へと影響を与え、今なおその足跡は多くの人に覚えられています。

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