心理相談員

心理相談員について

心理相談員とは、厚生労働省の管轄下にある特別民間法人、中央労働災害防止協会が認定した公的資格を持つ専門職のことです。労働安全衛生の分野に特化し、心の健康を促進する役割を果たしています。

資格取得の流れ

心理相談員になるためには、まず中央労働災害防止協会が実施する「心理相談専門研修」を受講し、全課程を修了することが求められます。研修は3日間にわたって行われ、その後、心理相談員としての登録を申請することで資格を得られます。重要な点として、この資格は3年ごとの更新が必要で、更新のためには所定の単位数を取得しなければなりません。

また、心理相談員という名称は、一般的な相談機関に従事するカウンセラーとは異なり、職場で働く人々のメンタルヘルスに特化しています。以前は、人事担当者などが取得していた背景がありますが、最近では産業カウンセラーなどの専門資格を持つ人々がこの資格を併用するケースが増えています。

心の健康を支える取り組み

厚生労働省では、労働者の心と体の健康を促進するため、「心と体の健康づくり運動（THP）」を推進しています。この運動の一環として、さまざまな専門研修が行われており、その中に「心理相談専門研修」が含まれています。この研修では、精神科医や公認心理師、臨床心理士といった専門家に求められる高度な知識や心理療法に関する技術を学び、職場のメンタルヘルス対策に対応できるように訓練されます。

心理相談員は、ストレスへの気づきのサポートやリラクセーション法の指導を通じて、働く人々の心の健康を守る役割を果たしています。研修で得られた知識と技術を活かし、常に自己研鑽を重ねることが求められます。

受講資格と研修の内容

心理相談専門研修は、日本各地の大都市圏（東京、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡など）で開催され、受講者数は各地60～100名程度です。研修には約19時間が必要で、受講料は46,000円となっています。受講資格は、4年制大学の心理学、社会福祉学、保健系の学位を持つ者、あるいは看護師や保健師の資格を有し経験を持つ者などが含まれます。また、令和4年度からは実務経験がなくても受講可能になり、対象者が拡大しています。

結論

心理相談員は、労働現場における心の健康を支える重要な役割を担っています。この資格を持つことで、専門的な知識を活かしたメンタルヘルス教育や相談対応に従事でき、働く人々のストレス管理や健康づくりをサポートすることが可能になります。今後も心理相談員の重要性は増していくことでしょう。

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