荒汐部屋

荒汐部屋の概要

荒汐部屋（あらしおべや）は、日本相撲協会に所属する相撲部屋で、時津風一門に属しています。この部屋は、時代を超えて多くの力士を育成し相撲界に貢献してきた伝統ある場所です。

歴史

荒汐部屋は、もともと大正時代に雷部屋の殿り政五郎によって設立され、以降4代目がこの名跡を継承してきました。しかし、1943年には4代荒汐が部屋を閉鎖し、弟子たちを双葉山道場に譲りました。この時期の弟子には、後の小結・潮錦や十両・豊ノ花、さらには三役格行司の2代式守伊三郎も含まれていました。

豊ノ花は引退後に5代荒汐を襲名しましたが、部屋を復興させることはありませんでした。代わりに時津風部屋で活動を続けることとなり、その後の名跡は同部屋の小結・大豊に受け継がれました。大豊は1987年に引退後、7代荒汐を名乗り、時津風部屋で後進指導に専念しました。

2002年には、7代荒汐が時津風部屋からの独立を果たし、荒汐部屋を新たに設立しました。この初期には新弟子が定着せず、存続が危ぶまれましたが、中国・内モンゴルからスカウトした蒼国来が初土俵を踏んだことで状況が好転しました。さらに、女将が部屋の日常を発信したことで、好印象を与え、多くの弟子が集まるようになりました。

2023年7月には、在籍する力士の過半数が公式ウェブサイトを見て入門を決めたとされ、その成功が報じられるほどでした。特に、福島県出身の若隆景兄弟などの活躍が目立ち、部屋の名声は高まっていきました。

主要エピソード

2010年1月場所では、創設から7年半で初の関取である蒼国来が誕生しましたが、2011年には八百長問題に関与したとされ、解雇処分を受けることになりました。しかし、裁判での争いを経て、蒼国来は復帰し、荒汐部屋はその記録を編纂し国立国会図書館に寄贈しました。

2022年には、若隆景が部屋に所属する力士として初めて幕内最高優勝を成し遂げ、部屋の名誉を高める結果となりました。また、2024年には陸奥部屋が閉鎖し、そこから力士2人が荒汐部屋に転籍するなど、部屋の規模はさらに充実しています。

所在地と師匠

荒汐部屋の所在地は東京都中央区日本橋浜町で、都営地下鉄新宿線の浜町駅から徒歩3分の距離にあります。現在の師匠は8代荒汐であり、彼は蒼国来の名を持ち、中国出身の力士として多くの期待を集めています。

現役の力士たちとエピソード

荒汐部屋では、若隆景、若元春などの力士が活躍し、将来の相撲界を盛り上げています。また、部屋には2匹の猫が飼われており、その様子がメディアに取り上げられることで、相撲ファンからの注目を集めました。特に、「モル」と「ムギ」という猫は、写真集として出版され、相撲界の新たなヒーローとなりました。残念ながら、ムギは2019年に、モルも2020年に亡くなりましたが、彼らは今も部屋の思い出として多くの人々に愛されています。

終わりに

荒汐部屋は相撲界の重要な一角を担っており、歴史的な背景を持ちつつも新しい魅力を持った部屋へと進化しています。これからの更なる活躍が期待される力士たちと、荒汐部屋の成長に今後も注目していく必要があります。

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