時津風一門

時津風一門の概要

時津風一門（ときつかぜいちもん）は、大相撲界において重要な一門の一つです。その歴史は、1941年にさかのぼり、立浪部屋の第35代横綱である双葉山によって設立されました。この時、双葉山は多くの実績を持ち、現役力士ながら弟子を育成する二枚鑑札を取得していました。彼は直弟子10人を引き連れて立浪部屋から独立し、双葉山相撲道場を設立しました。

当初、双葉山は同時期に大関に昇進し、彼に親しい5代粂川（元大関・鏡岩）からすべての弟子が譲り渡され、彼自身も道場の親方となりました。この連携を通じて、双葉山相撲道場は次第に他の部屋をも巻き込み、1943年には荒汐部屋、甲山部屋、二十山部屋といった部屋が合流し、一層大きな存在となりました。

1945年11月、双葉山は現役を引退し、年寄・12代時津風を襲名します。以後、双葉山相撲道場は時津風部屋と改称され、同時に古くからの伝統を持つ伊勢ノ海部屋と井筒部屋が合流しました。このようにして、時津風一門は形成され、歴史に名を刻むことになります。

時津風部屋系統では、立田川部屋（現在は閉鎖）、湊部屋（別の一門に移籍）、式秀部屋（現在は出羽海一門所属）、荒汐部屋などが独立を果たしました。伊勢ノ海部屋系統からは鏡山部屋が一時独立しましたが、その後閉鎖され、再び伊勢ノ海部屋に吸収されています。また、井筒部屋系統では君ヶ濱部屋が再興され、他にも陸奥部屋や錣山部屋が独立しましたが、陸奥部屋も2024年に閉鎖が予定されています。

時津風一門の活動の中で、2010年には高砂一門との連携により理事選挙で2名の理事を輩出することができました。その後、2012年には高砂一門へ譲渡し1名となりましたが、2022年の選挙では再び2名の理事が選ばれました。ここで、時津風一門からは、時津風定次（3代）と時津風勝男（8代）が日本相撲協会の理事長を務めた実績も持っています。

昨今、時津風一門は新たな動きも見せています。2016年には立浪部屋から独立した追手風部屋が、時津風一門に加入しました。追手風部屋は、当時不祥事による閉鎖処分を受けていた春日山部屋の力士を預かっていたため、春日山部屋の再興を経て新たな系統の一部となりました。しかし、2020年には中川部屋が閉鎖されるなどの波乱もありました。

このように、時津風一門は数々の変遷を経ながらも、相撲界においての重要な役割を果たし続けています。時津風一門の成り立ちや系統、歴史を知ることで、その深い意義を理解することができるでしょう。

もう一度検索