荒野の素浪人

『荒野の素浪人』（こうやのすろうにん）は、1972年1月から1973年3月までの間、テレビ朝日系列で放送された時代劇です。本作は三船プロが制作したもので、毎週火曜日の夜9時から放送されていました。全65話から成る第1シリーズに続き、1974年1月から9月まで第2シリーズ（全39話）が放送され、こちらは『新・荒野の素浪人』として知られていますが、正式なクレジットでは同じタイトルが使われています。

概要

この作品は、外国の西部劇の要素を取り入れた時代劇であり、主人公の峠九十郎（三船敏郎）が繰り出す必殺技「八方達磨返し」が大きな見どころとなっています。この技は、まず敵を斬り、次に刀を持ち替えることで背後の敵を攻撃し、同時に小刀で近くの敵を刺すという華麗で迫力のある動きです。

主な登場人物には、九十郎の義兄弟で五連発の技を使う鮎香之介（大出俊）、おどけた旅人で死んだふりが得意なすっぽんの次郎吉（坂上二郎）がいます。九十郎の髪型は、シリーズによって異なり、第1シリーズでは「ムシリ」と呼ばれるスタイルが採用され、続く第2シリーズでは総髪のスタイルに変わりました。衣装も『椿三十郎』に近いデザインへとアップデートされています。

キャスト

- 峠九十郎：三船敏郎
- 鮎香之介：大出俊
- すっぽんの次郎吉：坂上二郎
- からっ風のお文（第1シリーズ）：梶芽衣子
- 濡れつばめのお柳（第1シリーズ）：小川真由美
- 語り（第1シリーズ）：寺田農
- 語り（第2シリーズ）：岸田森

第1シリーズの中では、主に第36話からオープニング、エンディングやアイキャッチの変更が行われました。観客を惹きつけるストーリー展開により、シリーズを通して多くのファンを獲得しました。

スタッフ

第1シリーズのスタッフには、プロデューサーとして勝田康三、西川善男、安井治が名を連ね、監督や脚本も多くの才能ある人物が携わりました。音楽は菊池俊輔が担当し、視覚的にも聴覚的にも楽しませる工夫が凝らされています。

第2シリーズも同様に高い制作クオリティが保たれ、音楽は佐藤勝が担当しました。フォーマットやキャストは異なる部分もありますが、全体として一貫した魅力を持ち続けました。

放送ネット局

本作はNET（テレビ朝日）系列で放送され、視聴者からの支持を集め、後の時代劇作品にも影響を与える存在となりました。

荒野の素浪人