荘子邦雄

荘子 邦雄（しょうじ くにお）

荘子邦雄は、1920年9月16日に兵庫県で生まれ、2021年3月25日に亡くなった日本の著名な法学者です。彼の専門は刑法であり、特に労働刑法に関する研究で知られています。人生の大半を教育に捧げた彼は、東北大学や札幌学院大学で教授職を務め、多くの学生に法学を教えることに尽力しました。

略歴

1943年に九州帝国大学法文学部を卒業した後、同年の12月から学徒出陣で野戦重砲兵第8連隊に入営しました。戦後、1945年11月に復員し、1949年には九州帝国大学大学院を特別研究生として修了します。そのすぐ後、九州大学法学部の助教授を経て、1952年には北海道大学法学部へと移籍しました。1956年には教授に昇進し、さらに1961年からは東北大学法学部で教授職を担います。

1962年には「労働刑法」をテーマにした博士論文を提出し、法学博士の学位を取得しました。彼は1974年から1984年まで東北大学法学部長としても務めましたが、1984年には定年退官し、名誉教授の称号を受けます。その後、札幌学院大学法学部の教授を兼任し、1988年には同大学の学長に就任しました。1991年に定年退職後も名誉教授として学問を続けました。

公職や委員歴

荘子教授は、法律に関する公職にも積極的に関与しており、1962年から1981年の間、司法試験の第二次試験考査委員を務めました。また、1962年から1965年には宮城県の麻薬中毒審査会委員としても活動し、1975年から1983年まで矯正保護審議会の委員として貢献しました。

受賞歴

彼はその業績に対して数回の賞を受けています。1955年には草野賞を受賞し、1983年には紫綬褒章を授与されました。さらに1990年には勲二等旭日重光章も受章しています。

主な著作

荘子邦雄は多くの専門書を著しており、彼の研究成果は法学界において重要な位置を占めています。代表的な著作には、1956年に刊行された『正当防衛』や、1969年に初版が出た『刑法総論（現代法律学全集）』、1975年の『労働刑法（総論）〔新版〕』があります。また、共著である『刑法における故意・過失の研究』や、近代の刑法思想を掘り下げた『近代刑法思想史研究』も彼の名著の一部です。

特に、2013年に出版された『人間と戦争　一学徒兵の思想史』は、彼の思想を反映した貴重な作品であり、学徒出陣の経験をもとにした深く考察された内容となっています。長年にわたって蓄積した知識と経験を基に、荘子教授は日本の法学を発展させる重要な役割を果たしました。

まとめ

荘子邦雄の学問に対する情熱と教育への貢献は、彼を日本の法学界において屈指の存在としました。後世へもその影響が引き継がれていくことでしょう。

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