荻生徂徠墓

荻生徂徠墓について

東京都港区三田四丁目にひっそりと佇む荻生徂徠の墓は、江戸時代中期に活躍した儒学者・思想家である荻生徂徠の生涯を今に伝える貴重な史跡として、国の指定を受けています。徳川吉宗に重用され、古文辞学を提唱した徂徠は、その学問と思想によって江戸時代の学術界に大きな足跡を残しました。

墓の概要

荻生徂徠は、享保13年（1728年）1月19日に63歳でその生涯を閉じました。彼の遺体は、生前ゆかりの深かった三田の長松寺に埋葬され、そこに彼の墓が建立されました。墓石は、三重の台石の上に建てられており、高さは約3尺1寸6分（約96センチメートル）、幅は1尺2寸3分（約37センチメートル）、奥行は約8寸7分（約26センチメートル）となっています。墓石の形状は頭部が櫛形になっており、表面には隷書体で「徂徠物先生之墓」と刻まれています。この文字は、徂徠の学問と人柄を敬愛した人々によって刻まれたものでしょう。

墓石の背面には、猗蘭侯（本多忠統）が撰文し、葛烏石（松下烏石）が書した墓誌が刻まれています。この墓誌は、徂徠の生涯や業績を詳細に記したもので、彼の思想や学問を理解する上で貴重な資料となっています。

史跡としての指定

荻生徂徠の墓は、昭和24年（1949年）7月13日に国の史跡として指定されました。これは、徂徠の学問と思想が日本の文化史上重要な意味を持つこと、そして彼の墓がそれを今に伝える貴重な遺産であることが認められた結果と言えるでしょう。史跡の管理は、現在では長松寺が行っています。

アクセス

墓所は長松寺にあります。

また、三田の忍願寺の駐車場内にも石碑と説明板が設置されています。これは、より多くの人々に荻生徂徠の功績を知ってもらうために、東京都教育委員会が平成12年（2000年）3月に設置したものです。

荻生徂徠とは

荻生徂徠は、江戸時代中期に活躍した儒学者であり、思想家です。彼は、従来の儒学の解釈にとらわれず、古典を直接読み解き、そこから新たな解釈を生み出す古文辞学を提唱しました。彼の学問は、当時の社会や政治に大きな影響を与え、多くの弟子を育成しました。彼の思想は、現代においてもなお、学ぶべき点が多く、彼の墓は、彼の学問と思想を偲ぶ人々にとって、重要な場所となっています。

関連情報
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* 国指定文化財等データベース

荻生徂徠の墓は、日本の歴史と文化を深く理解するための貴重な手がかりとなるでしょう。

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