本多忠統

本多忠統

本多忠統（ほんだ ただむね）は、江戸時代中期に活躍した大名であり、河内西代藩主、のちに伊勢神戸藩の初代藩主となりました。彼は江戸幕府の若年寄として、徳川吉宗による享保の改革期における幕政に深く関与しました。文化人としての側面も持ち合わせており、「猗蘭侯」と号して、書画や儒学に通じた教養人としても知られています。神戸藩本多家2代。

生涯

西代藩主時代

元禄4年（1691年）に近江国・河内国で1万石を領有していた本多忠恒の次男として生まれました。兄の早世により世子となり、宝永元年（1704年）に父の跡を継いで家督を相続しました。

宝永4年（1707年）には、第5代将軍・徳川綱吉の小姓として仕え、綱吉の死後も宝永6年（1709年）までその職を務めました。正徳元年（1711年）には、河内国西代（現在の大阪府河内長野市西代町）に陣屋を構えています。享保4年（1719年）に大番頭に任じられ、その後、享保9年（1724年）には奏者番と寺社奉行を兼任しました。享保10年（1725年）には若年寄に任命され、第8代将軍・徳川吉宗の享保の改革に参与し、幕政の中枢で活躍しました。享保15年（1730年）には勝手掛にも任命されています。

神戸藩主時代

享保17年（1732年）に伊勢神戸藩へ移封されました。享保の改革においては、松平乗邑と共に吉宗を補佐し、改革を推進しました。また、享保の大飢饉の際には、神戸藩も大きな被害を受けたため、領民の救済に尽力しました。延享2年（1745年）には、吉宗の命により徳川家重に付けられ、同時に5000石の加増と神戸城の築城を許され、1万5000石の大名となりました。

延享4年（1747年）に江戸城内で肥後熊本藩主・細川宗孝が板倉勝該に斬殺されるという事件が発生すると、その事後処理や細川家の存続のために奔走しました。寛延3年（1750年）に病を理由に若年寄を辞任し、同年11月19日に五男の忠永に家督を譲り、隠居しました。宝暦7年（1757年）2月29日に67歳で死去しました。

茶道にも造詣が深く、「宗範」という茶名を有していました。

系譜

父母:
本多忠恒
正室:
加藤明英の娘
側室:
松氏
子女:
本多康桓（長男）
小笠原信胤（次男）
本多忠篤（三男）
本多忠栄（四男）
本多忠永（五男）
本多忠明（六男）
本多忠国（八男）
本多康政（九男）
藤堂良由正室
藤堂良端の養女
松平信敏正室
本多忠英正室のち吉田良延室

関連項目

荻生徂徠墓

外部リンク

* 神戸侯本多氏（図書印の画像あり）

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