菅原浩志

菅原浩志（すがわら ひろし）は、1955年、北海道夕張郡長沼町に生まれ、札幌市で育ちました。映画監督、脚本家、そしてプロデューサーとして、日本の映画界で重要な役割を担っています。クレジットには菅原比呂志名義も使用されています。

札幌啓成高等学校を卒業後、映画への情熱を胸に、アメリカへ渡りました。フランシス・フォード・コッポラ監督の母校であるカリフォルニア大学ロサンゼルス校（UCLA）芸術学部映画テレビ学科で映画製作と演出を学び、その才能を開花させました。在学中には、クームルーデ賞（優秀賞）を受賞し、卒業後はアメリカ映画界で活動を始めました。

帰国後、映画プロデューサーとして、深作欣二監督の『里見八犬伝』（1983年）など、数々の話題作を手がけました。1988年には、『ぼくらの七日間戦争』で監督デビューを果たし、ブルーリボン作品賞、くまもと映画祭監督賞を受賞するなど、高い評価を得ました。この作品は、「日本映画100本」にも選出されています。

2004年には、『ほたるの星』が第16回東京国際映画祭コンペティションに公式参加し、その後、世界各国で公開されました。また、同年の秋には、皇室主催の園遊会に招待されています。浅丘ルリ子主演の『早咲きの花』（2006年）は、第19回東京国際映画祭、豪州シドニー映画祭で公式上映され、国内外で高い評価を受けました。北海道東川町を舞台にした『写真甲子園 0.5秒の夏』（2017年）は、第30回東京国際映画祭でワールドプレミア上映され、2019年にはアラブ・アフリカ世界で最も有名なカルタゴ映画祭に正式招待されました。

近年では、2021年に短編映画『北の残照』とドキュメンタリー映画『ヌプリコロカムイノミ』を監督し、2023年には『カムイのうた』を監督しました。これらの作品を通じて、菅原監督は、自身のルーツである北海道への深い愛情と、自然や文化への敬意を表現しています。

映画制作の傍ら、周南公立大学客員教授、環境省主催のホタレンジャー審査員、豊橋まつり総合プロデューサーなど、多岐にわたる分野で活躍しています。彼の活動は、映画界だけでなく、地域社会や環境問題にも貢献しています。

フィルモグラフィー

監督作品
ぼくらの七日間戦争（1988年） - 兼脚本
That's カンニング! 史上最大の作戦?|That's_カンニング!_史上最大の作戦?（1996年）
マグニチュード 明日への架け橋（1997年） - 兼脚本
ときめきメモリアル（1997年）
ドリームメーカー（1999年） - 兼脚本
DRUG（2001年） - 教育映画
ほたるの星（2004年） - 兼脚本
早咲きの花（2006年） - 兼脚本
写真甲子園 0.5秒の夏（2018年） - 兼脚本 ※北海道先行上映（2017年）
北の残照（2021年） - 短編映画
ヌプリコロカムイノミ（2021年） - ドキュメンタリー
カムイのうた（2023年） - 兼脚本

プロデューサー作品
里見八犬伝（1983年）
愛情物語（1984年）
天国にいちばん近い島（1985年）
二代目はクリスチャン（1985年）
キャバレー（1986年）
三文オペラ（1989年）
将軍（1990年）
ルビー・カイロ（1993年）

プロダクションマネージャー
* 天と地と（1990年）

菅原浩志監督の作品は、エンターテイメント性だけでなく、社会的なメッセージや人間の内面を深く掘り下げた作品が多く、観る人に多くの感動と問いを与えています。

もう一度検索