菅沼正久

菅沼 正久（すがぬま まさひさ）

菅沼正久は、1927年に神奈川県で生まれた日本の経済学者である。彼は東京農業大学の農業経済学科を1958年に卒業し、その後多くの教育機関で教鞭をとりながら、経済学の研究に情熱を注いできた。彼は本州大学の助教授や教授を務めた後、長野大学に移籍し、同大学の教授となる。1993年には定年退職し、名誉教授の称号を受ける。

来歴

菅沼の経歴は、経済学の分野における多岐にわたる研究活動に彩られている。特に農業経済に関する研究が中心であり、彼の論文は、歴史的、文化的な視点を交えながら農業経済に関する理論を探求している。また、彼は中国の社会主義や文化大革命についても論じており、当時の社会情勢に鋭い洞察を持った研究者として知られている。特に、文化大革命を支持した立場から、山内一男などと共に名を馳せた。

研究と業績

彼の著作は非常に多様であり、農協に関する理論書から中国の文化や社会主義の研究まで広がっている。主な著書には「拡大農協に関する12章」（家の光協会、1965年）、および「農協購買事業の理論」（家の光協会、1967年）などがある。さらに、彼の作品「中国文化大革命」（1967年）は、当時の中国の政治状況を詳細に分析しており、急速に変わる国際情勢下での中国の動きを探る上で重要な文献とされている。

特に彼の著書「連続革命と毛沢東思想」（1969年）や「社会主義の連続革命」（1970年）では、毛沢東の思想とその影響について考察されており、日本における中国研究の発展に貢献した。また、「日本の農民問題」（田畑書店、1973年）では、日本の農業問題に焦点を当て、実践的な解決策を模索している。

共編著と翻訳

菅沼はまた、多くの共著や編著も手がけており、「農協合併の手びき」（全国農業出版、1961年）や「農協における経営組織の編成」（全購連企画管理室、1966年）など、協同組合の経済論に関する研究資料を編纂した。講座形式での書籍も行い、「講座現代中国」の全3巻を共編している。

翻訳業務も積極的に行っており、「資本主義国経済史 下」（亜紀書房、1975年）など、外国の経済学文献を日本に紹介する役割も果たしている。

最後に

菅沼正久の研究は、農業経済から政治経済、中国研究にまで幅広い分野にわたり、彼の思考と分析は現在も多くの研究者に影響を与えている。彼の功績は、農業経済および国際的な視点を持つ研究の重要性を再認識させるものであり、今後の研究や教育においてもその知見は引き継がれていくことだろう。

もう一度検索