菊地功

菊地 功（きくち いさお）

菊地功（きくち いさお、Tarcisio Isao Kikuchi, S.V.D.）は、日本のカトリック教会において重要な聖職者であり、現在、カトリック東京大司教区の第9代大司教を務めています。1958年11月1日、岩手県宮古市に生まれた彼は、南山高等学校から南山大学に進学し、神学を学びました。1986年3月15日に司祭として叙階され、同年から1994年までガーナで宣教師として活躍しました。この時期、コフォリドゥア教区で主任司祭として地域社会に貢献しました。

帰国後、菊地は名古屋教区で神学生の養成を担当し、1999年から2004年まで神言修道会日本管区の長として指導力を発揮しました。2004年、教皇ヨハネ・パウロ2世により新潟司教に任命され、同年9月に司教に叙階されました。その後、2009年から2013年まで新潟教区と札幌教区の管理者を兼任し、教区間の協力を促進しました。2017年には教皇フランシスコによって東京大司教に任命され、2018年には日本カトリック司教協議会の会長に就任しました。2023年には、国際カリタス総裁にも選出され、国際的な支援活動に貢献しています。

菊地は、福音宣教に熱心で、さまざまな国際的なカリタス組織に参与しており、先進国の教会と発展途上国の教会との連携を重視しています。また、彼はアジア司教協議会連盟の事務局長として、アジアにおけるカトリックの役割を強化し、人間開発に関する活動に関与しています。さらに、WCRP日本委員会の評議員として、宗教間対話の促進にも寄与しています。

菊地の基本的な信念は、愛と共感を持ち、人々の苦しみに寄り添うことです。特にLGBTに対しては、彼は理解と支持の姿勢を示しており、合著による書籍にも寄稿しています。このことから、彼の思想が、多様性と包摂の重要性を強調していることが伺えます。

著書も数多く、例えば『二十一世紀を歩む教会共同体』や『カリタスジャパンと世界 武力なき国際ネットワーク構築のために』など、日本国内外での教会共同体の発展や国際的な協力の重要性を論じています。また、彼の他の著作である『開発・発展・MDGsと日本 2015年への約束』や『「真の喜び」に出会った人々』は、現代社会に生きる人々へのメッセージを伝えるものです。

菊地功は、カトリック教会の中でも特に影響力のある聖職者として、教会内外での多くの役割を担う一方で、彼自身の著作を通じて広く思想を発信しています。その活躍は、教会の枠を超え、より多くの人々に希望と喜びを届けることに繋がっています。最新の情報では、2024年には教皇フランシスコから枢機卿に任命される予定であり、これからの彼の活動にも注目が集まります。

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