菊地定夫
菊地 定夫（きくち さだお、1933年7月24日 - 2001年12月10日）氏は、日本のスキージャンプ競技において、選手としても指導者としても偉大な足跡を残した人物です。
北海道小樽市で生まれた菊地氏は、小樽緑陵高校（現在の小樽商業高校）を卒業後、明治大学に進学しました。大学卒業後はクロバー乳業に入社し、その後に会社合併を経て雪印乳業に勤務しました。
1950年代後半から1960年代にかけて、選手としての全盛期を迎えた菊地氏は、国内外の多くの大会で優れた成績を収めました。冬季オリンピックには2大会連続で日本代表として出場しています。
1960年 スコーバレーオリンピックでは個人15位。
1964年 インスブルックオリンピックでは70メートル級26位、90メートル級47位という成績を残しました。特にこのインスブルック大会では、日本選手団の栄えある旗手という大役を担いました。
また、1958年にフィンランドのラハティで開催されたノルディックスキー世界選手権スキージャンプ競技にも出場し、個人30位となっています。全日本スキー選手権大会のスペシャルジャンプ競技でも輝かしい記録を持ち、第40回大会では80メートル級（1962年2月18日）と60メートル級（1962年2月19日）の二冠を達成。さらに、第41回大会（1963年2月24日）と第42回大会（1964年2月22日）でも60メートル級で優勝し、複数回にわたり日本の頂点に立っています。
ノルウェーのオスロで開催される権威あるホルメンコーレンスキー大会では、最高4位という成績を収めています。
菊地氏の選手時代を語る上で特筆すべきは、1961-1962年シーズンに見せた圧倒的な強さです。このシーズン、国内大会13試合に出場し、驚異的な12勝、そして2位が1試合という、まさに「シーズンセミパーフェクト」と称されるべき成績を残しました。この期間に喫した唯一の敗戦は、皮肉にも自身の所属する企業が主催した雪印杯でした。
このシーズンの具体的な戦績は以下の通りです。
1月14日（日） - 第8回森永杯争奪ジャンプ大会 優勝
1月15日（月） - 第3回雪印杯全日本ジャンプ大会 2位
1月22日（月） - 秩父宮両殿下賜杯第10回全日本選抜スキー大会 優勝
2月4日（日） - 第17回北海道スキー選手権大会兼国体予選兼全日本選手権予選 優勝
2月13日（火） - 第1回STVカップ国際スキージャンプ競技大会 優勝
2月18日（日） - 第40回全日本スキー選手権大会（80メートル級） 優勝
2月19日（月） - 第40回全日本スキー選手権大会（60メートル級） 優勝
2月20日（火） - 第3回NHK杯ジャンプ大会 優勝
2月21日（水） - 第2回秋野杯ジャンプ大会 優勝
2月25日（日） - 第17回国民体育大会冬季大会 優勝
3月1日（木） - 第8回北海道新聞杯争奪全道ジャンプ大会 優勝
3月2日（金） - 第4回HBCカップジャンプ競技会 優勝
* 3月4日（日） - 第33回宮様スキー大会純ジャンプ 優勝
さらに、菊地氏は日本のスキージャンプ史に新たな1ページを刻みました。1963年2月22日、札幌の大倉山シャンツェで行われた第2回STVカップ国際スキージャンプ競技大会において、1本目で102.0メートルという記録を樹立。これは日本人選手として初めての100メートルを超えるジャンプであり、当時のスキージャンプ界に大きな衝撃を与えました。また、大倉山シャンツェにおけるバッケンレコード（ジャンプ台最長不倒記録）も保持しており、1964年には103.5メートルという記録をマークしました。これは当時としては驚異的な距離であり、その後の日本のジャンプ技術の進化に影響を与えました。当時の常識を超えるほど深い前傾姿勢を取り入れ、その飛距離を伸ばす革新的なジャンプスタイルは、見る者を魅了し、冬のスポーツシーズンには常に注目を集め、特に若い世代にとっては憧れの存在であったと言われています。
現役引退後、菊地氏は後進の育成に情熱を注ぎました。長年にわたり雪印の監督を務め、多くの若手選手を育て上げました。また、1972年に地元・札幌で開催された冬季オリンピックでは、全日本スキー連盟ジャンプ部門の強化委員長という重責を担いました。この大会において、日本のジャンプ陣は70メートル級で笠谷幸生選手が金メダル、金野昭次選手が銀メダル、青地清二選手が銅メダルを獲得し、表彰台を独占するという歴史的快挙を成し遂げました。菊地氏は、この輝かしい成果の原動力となり、日本のスキージャンプ界における指導者としてもその手腕を高く評価されました。
スキージャンプ界の発展に尽力した菊地定夫氏は、2001年12月10日に心筋梗塞のため逝去しました。享年68歳でした。選手として、そして指導者として、日本のスキージャンプ界に多大な貢献をしたその功績は、今もなお多くの人々に記憶されています。
生い立ちと経歴
北海道小樽市で生まれた菊地氏は、小樽緑陵高校（現在の小樽商業高校）を卒業後、明治大学に進学しました。大学卒業後はクロバー乳業に入社し、その後に会社合併を経て雪印乳業に勤務しました。
選手としての活躍
1950年代後半から1960年代にかけて、選手としての全盛期を迎えた菊地氏は、国内外の多くの大会で優れた成績を収めました。冬季オリンピックには2大会連続で日本代表として出場しています。
1960年 スコーバレーオリンピックでは個人15位。
1964年 インスブルックオリンピックでは70メートル級26位、90メートル級47位という成績を残しました。特にこのインスブルック大会では、日本選手団の栄えある旗手という大役を担いました。
また、1958年にフィンランドのラハティで開催されたノルディックスキー世界選手権スキージャンプ競技にも出場し、個人30位となっています。全日本スキー選手権大会のスペシャルジャンプ競技でも輝かしい記録を持ち、第40回大会では80メートル級（1962年2月18日）と60メートル級（1962年2月19日）の二冠を達成。さらに、第41回大会（1963年2月24日）と第42回大会（1964年2月22日）でも60メートル級で優勝し、複数回にわたり日本の頂点に立っています。
ノルウェーのオスロで開催される権威あるホルメンコーレンスキー大会では、最高4位という成績を収めています。
菊地氏の選手時代を語る上で特筆すべきは、1961-1962年シーズンに見せた圧倒的な強さです。このシーズン、国内大会13試合に出場し、驚異的な12勝、そして2位が1試合という、まさに「シーズンセミパーフェクト」と称されるべき成績を残しました。この期間に喫した唯一の敗戦は、皮肉にも自身の所属する企業が主催した雪印杯でした。
このシーズンの具体的な戦績は以下の通りです。
1月14日（日） - 第8回森永杯争奪ジャンプ大会 優勝
1月15日（月） - 第3回雪印杯全日本ジャンプ大会 2位
1月22日（月） - 秩父宮両殿下賜杯第10回全日本選抜スキー大会 優勝
2月4日（日） - 第17回北海道スキー選手権大会兼国体予選兼全日本選手権予選 優勝
2月13日（火） - 第1回STVカップ国際スキージャンプ競技大会 優勝
2月18日（日） - 第40回全日本スキー選手権大会（80メートル級） 優勝
2月19日（月） - 第40回全日本スキー選手権大会（60メートル級） 優勝
2月20日（火） - 第3回NHK杯ジャンプ大会 優勝
2月21日（水） - 第2回秋野杯ジャンプ大会 優勝
2月25日（日） - 第17回国民体育大会冬季大会 優勝
3月1日（木） - 第8回北海道新聞杯争奪全道ジャンプ大会 優勝
3月2日（金） - 第4回HBCカップジャンプ競技会 優勝
* 3月4日（日） - 第33回宮様スキー大会純ジャンプ 優勝
さらに、菊地氏は日本のスキージャンプ史に新たな1ページを刻みました。1963年2月22日、札幌の大倉山シャンツェで行われた第2回STVカップ国際スキージャンプ競技大会において、1本目で102.0メートルという記録を樹立。これは日本人選手として初めての100メートルを超えるジャンプであり、当時のスキージャンプ界に大きな衝撃を与えました。また、大倉山シャンツェにおけるバッケンレコード（ジャンプ台最長不倒記録）も保持しており、1964年には103.5メートルという記録をマークしました。これは当時としては驚異的な距離であり、その後の日本のジャンプ技術の進化に影響を与えました。当時の常識を超えるほど深い前傾姿勢を取り入れ、その飛距離を伸ばす革新的なジャンプスタイルは、見る者を魅了し、冬のスポーツシーズンには常に注目を集め、特に若い世代にとっては憧れの存在であったと言われています。
指導者としての貢献
現役引退後、菊地氏は後進の育成に情熱を注ぎました。長年にわたり雪印の監督を務め、多くの若手選手を育て上げました。また、1972年に地元・札幌で開催された冬季オリンピックでは、全日本スキー連盟ジャンプ部門の強化委員長という重責を担いました。この大会において、日本のジャンプ陣は70メートル級で笠谷幸生選手が金メダル、金野昭次選手が銀メダル、青地清二選手が銅メダルを獲得し、表彰台を独占するという歴史的快挙を成し遂げました。菊地氏は、この輝かしい成果の原動力となり、日本のスキージャンプ界における指導者としてもその手腕を高く評価されました。
晩年
スキージャンプ界の発展に尽力した菊地定夫氏は、2001年12月10日に心筋梗塞のため逝去しました。享年68歳でした。選手として、そして指導者として、日本のスキージャンプ界に多大な貢献をしたその功績は、今もなお多くの人々に記憶されています。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。